2016年12月31日土曜日

今後の予定(2017.2.8)

即興音楽とダンスによるフェスティバル(鳥取 夏至祭)始めます。



 木野が鳥取に来て8ヶ月が過ぎました。あっという間です。
 正直まだまだ慣れてはおらず、ここで何ができるか模索をしています。昨年は”Mobius”という作品をChicago Moving Comapnyさんに鳥取に来ていただき、制作しました。が、正直コンテンポラリーダンスの土壌はなく、まずは知ってもらうことから始める必要があるだろうと感じています。
 鳥取にはクラシックバレエのお稽古場が少しあるくらいで、ストリートダンスですら大学ダンス部のみという状態を改善するには、即興ダンスに注目するのが良いのではないかと考えました。私自身の作品は大変暗いですが、即興音楽とダンスのセッションのシリーズは毎回何が起こるかわからないライブ感で面白いと言われます。音楽とのコラボにすることでジャズなどの層に関わりを広げるとともに、参加する人を増やしていきたいと考えています。
 今回は木野の個人で動かせる範囲ということで規模は小さいですが、街中のあちこちを利用して行うことで、住民の興味を引き出し、今後の活動へとつないでいきたいです。また、即興音楽系のワークショップを同時開催することで、この即興系音楽、ダンスを知っていただくことができることを期待しています。

 鳥取は何もない土地ですが(人口も最小県で55万しかいません)、砂丘と美味しいものはあります。あと、場所はあります。
 そのため、鳥取に皆さんにお越しいただき、一緒に鳥取で何ができるか考えていただければと思いました。将来的に作品制作へとつなげていくことも考えて、出会いの場としてこの会が機能することを祈っています。
 今年は無理!という方も多くいると思います。できれば人を入れ替えながら(毎年来るというのはかなり大変です)継続的に行っていきたいと考えていますので、長い目で見て応募してください。正直お仕事ベースにはならない企画です。でもきっと楽しいのではないか。まずはあそぶところからです。 
木野彩子

日時:2017年6月23−25日
場所:まるにわ、HOSPITALE, 風紋広場、とうふビル、三角公園、袋川土手など(砂丘がいいという声もあるが楽器の問題があり現実的ではないと考えています)街中の空きスペースなどを利用して行う観客移動型パフォーマンスを中心に構成。


出演条件:アーティストもまた観客と同等の立場で楽しむための祭りとして作りたいという木野の考え方から交通費補助はあるものの、俗に言うギャラを設定していません。各地からの交通費として関西中部2万円、関東以北、九州3万円を支給。1日目の収益は経費を除いて分割するものの参加者が多いため、それほどの金額にはならないだろうと推測しています。CD販売等を自由に行っていただき、各人の収入を補ってもらいたいと考えています。(車で来る、バス利用、パックツアーやLCCなど安上がりに来る方法を考案して節約していただくのもアリだと思います)宿泊先としてことめや(旅館を利用したアーティストレジデンススペース)の協力を得、木野家と併用することで、宿泊先、費用もかかりません。(延泊については一泊1500円の予定)みんなで牡蠣を食べに来てください。
 残念なことに、野外中心ということもあり、ピアノがないです。それが申し訳ないです。


内容:
23日前夜祭
オービタルリンク形式(中沢れいさん発案)での自己紹介的なパフォーマンスと簡単なセッション
①くじ引きにより3人組を作る
②各自が3分ずつ即興を行う(ダンサーは音楽家を指名したり、CDなど用いても良い)
③その3人でセッションを行う(5分)
1グループあたり14分入れ替えを入れても15分。これで各人の大体のタイプがわかる。
この時相談かくじ引きかで翌日以降の組み合わせを決める
終了後鳥取市内を回りながらパフォーマンススペースを見て回り、どこで誰が行うかを決定する。

24日
        日中:鳥取市内物色、パフォーマンススペースでの作戦会議
夕方ー夜:野外でのパフォーマンス(観客は地図をもらって巡回しながら見て回る)
25日
       市民も含めての即興音楽ワークショップと発表

 遠方の人もいるため25日中に帰路につけるように設定しようと思います。
 もし可能であれば前泊、後泊などの形で鳥取市内をさらに探索してもらうと良いなと考えています。将来的に鳥取でのクリエーションに興味を持ってもらい、滞在制作などへとつないでいくことを目指したいと思っています。

公募要件:
 音楽、ダンス、映像、美術、演劇などのパフォーマンスを行う方。これまで作品制作を何らかの形で行ってきた方。他のジャンル(どんな人が来るかはわからない)とのコラボレーションに柔軟に対応し、面白がれる方。宿泊先、予算などの都合もあり15名程度を考えています。
 鳥取県(あるいは周辺)のパフォーマーも大募集します。このジャンルは参加できるか?などの質問はお気軽にどうぞ。これまで私が関わってきた中では8mmフィルム投影、朗読、ライブペインティングなどがありました。
 運営や企画に関わってくださる方も大募集中です。

参加いただける方は2月末までに
①名前(活動している時の名前)、住所、連絡先などの基本情報
②これまでの活動経歴
③自己 PR
をお送りください。
お待ちいたしております!

鳥取夏至祭 実行委員会 
木野彩子
saiko@rs,tottori-u.ac.jp

0857-31-5130(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)








Amanogawaプロジェクト鳥取編


10月21日地震に遭遇した鳥取県民、しかし落ち着き払っており、大きな混乱もなく、現在はほぼ通常状態に戻ったと言えます。
が、それは本当だろうか。倉吉には今も50人近い避難生活を送る人がいて、ブルーシートで冬は越せるのか?など問題は山積み。
ボランティアセンターに行って話を伺うと、我慢強くシャイな鳥取県民は遠慮してしまって要求やお願いをまず言い出さないと施設の方。「いえ、亀裂入っているんだけれど、大家に倒れてないから大丈夫と言われた」(主婦)「下手に修理頼むと予算が出ないかもしれないから、こういうところ(公民館前)の工事とかは後回しになっちゃうんだよね」(右の亀裂の公民館の方)などなかなかすごいことになっています。死者のでなかった今回の地震。それはなぜか。そして本当のところの被害は実はその亀裂のように後からじわじわ出てくるものなのではないか。(11月15日現在)
少しずつ通いながら撮りためていこうと考えています。




ダンスハ體育ナリの続編について


現在、再来年2月に発表できるように頑張ろう計画が進んでいますが、鳥取大学地域学部の教養科目として「グローバル時代の大学」で1時間担当し、お話させていただきした。

明治期の運動会、体操の変遷をたどりながら、オリンピックまで話を膨らませて「体育」がスポーツへと変わりつつある流れを学びます。
今回はダンス関係者ではないため、大野さんのお話はありませんが、西洋的近代的身体を作り上げるために生まれた体操にフォーカスを当て、日本人の「揃った動き好き」について考える内容を目指しています。


一般の方向けには2017年1月29日ことめや「五感教室」にてレクチャーを予定しています。おそらくシリーズになると思うのですが今回のテーマは明治維新における日本人の身体の変化です。
https://www.facebook.com/events/1285919301485148/

2回目は会場の都合もあり暖かくなってからの予定です。






2017年の予定

11月高知で踊ります。なぜ高知。でも高知。なのでその前に鳥取で作って発表します。

11月女子体育連盟の全国大会が鳥取で開催されます。私は踊りませんが、ダンス部には踊っていただかねばなりません。この裏方で多分私は走り回ります。「ダンスハ體育ナリ」でついているなぜダンスは女子体育なのか、それについての話はまだまだ終わっていないのです。






2016年

2016年
今年は大きく変化する一年でした。
鳥取へと移住することになり、多くの人に出会いました。
そしてそんなに必然的にはなれることになる人も出てきます。それでもまたいつか出会うものと思っています。今年の作品"Mobius"は様々な人の縁がずっと円を描いていて、つながることなく、しかしお互いに影響しあいながらあり続ける星の様な作品でした。いのちはいつかつきますが、大きな流れに押し流されながらもその気配とともにあり続けていくことを作品が進化していく過程で見てきました。この作品は今から5年前に作ろうと思っていた作品のエンディングに考えていた構想と昨年のソロをもとにしています。生き続けるとこういうこともあるのかと実感します。

大学での仕事はまだまだ慣れず、先生方にご迷惑をおかけしています。もしかしたらずっとなれないままなのかもしれません。なにぶん私は半年後くらいまでのことしか考えることができないで生きてきました。5年後10年後を考えて生きて生きたことがないということも今年初めて知りました。どこまで勤めていけるのかしらと思いながら、とにかく一生懸命進んでいくだけです。

鳥取大の前任佐分利先生より、ぽろぽろと話していた作品制作の流れを文章化しなさいと言われ、おそらくそれは今後やっていく必要があるだろうと考えられました。というのも、自分の言葉で自分の踊りを語ることができる人が少ない。それがたとえ支離滅裂に見えてよくわからなくとも、それでも何か、そして誰かの手がかりになるかもしれないため、やはり記してみるべきではないか。

昨年の項目を読み返してみると

「一生が全てつながっていてそのまま作品みたいと思う。
一つの論文というのはあまり重要でなくてその積み重ねていった結果として見えてくるものであり、そのうちのひとしずくに過ぎない。さらに自分は大きい宇宙のお星様の一つで(柳宗悦は微塵という)いてもいなくても、してもしなくてもあまり差はなく、しかしたくさんもらってしまった愛情のお返しとして一瞬光ってみようかとする作業だなあと思いました。(あ、アマノガワだ。)私の作品は気がつけば全てつながっていて、この論文も拙いなりにつながっていて、死ぬ時までの(もしくはもっと先への)予言の書みたくなっていくのだなあと思うのです。」

と書いていました。
修士論文はまだ3分の1くらいしか公開されていないですが、確かに予言の書のようになっており、修士実技(そんなものはないのですが)であった「ダンスハ體育ナリ」と合わせてこの5年位で私がしなければいけないことを語っているような気がします。
修士論文を書いていく過程で私は、物事に「必ず正しいはない」という当たり前のことを知りました。政治や報道や様々な力関係で常に「正しい」や「良い」の概念は変わっていきます。一作家として時代の流れを感じ、おかしいと思った時には警告する。それが役割だとすれば文章で書くか作品にするかの違いでしかなく、研究者であり振付家である立場として双方から行っていくべきだろうと考えました。

「ダンスとはなんなのでしょう」と学生が聞きます。
「既成のダンスにとらわれず新しいダンスを作るのですよ」と私は答えます。
「ダンスとはあくまで手段であって、そのもとに何を明らかにしたいかがあるはずです。身体を使ってそれを考え、どんな手段を使っても最終的に表現すればそれでいい。」

明らかにしなければならない何かがなければ何も生まれない。
生み出す必要がない人はそのままで構わない。
その方が幸せなこともある。
それでも表さねばならない人のために芸術というものはあるのだということにも気がつきました。世の中が成熟し、皆そこそこ自由かつ豊かな生活を送れるようになり、それでも満たされない何かを感じているから、皆何かを表現したい。でも本当に人の心を打つようなものは切実に訴えかけるものである必要があり、何らかの犠牲を払わねば出来上がらない。それでも訴えねばならないものがあるだろうか、それが作家となるかならないかの境目ではないかと思いました。

得るものと失うものはほぼ同数。

また一年年をとります。多くのものを得、また失います。それでもまだ生きていく。そんな2016年でした。
心穏やかに健やかに。また良き年となりますように。
木野彩子




各作品の詳細は載せませんがまず、簡単に箇条書きにて。各作品の詳細はこのHP上のラベルで検索してみてください。http://saikokino.blogspot.jp

また大学に務めることになったのを機にウェブページを作りました。全作品は網羅できていませんが、こちらも是非ご覧ください。木野による作品解説項目を作りました。https://saikokino.jimdo.com

◎作品

ダンスハ體育ナリ@TPAM ダンスアーカイブプロジェクト BankART studio NYK 3Fホール

Mobius 鳥取@HOSPITALE(旧横田医院)

Mobius 東京@求道会館
 En attendant,,,,,
Mobius シカゴ@Hamlin Park Theater
 About Rachel

   
◎音楽とのセッション
音楽とダンス、ハーブの時間@森のテラス(東京)
 ピアノ:池田千夏、ハーブ:ジプシーカフェ葉花(八代真由美、金子優子)

Sound and Cultivation@レストランCultivate(三重)
 音楽:大岡英介、Ryotaro、映像:仙石彬人、ダンス:阿竹花子

◎その他
修士論文「コミュニティダンスの歴史的原点と概念の再構成に関する研究〜日英の現状からみたプロモーション再考のために〜」

第1章、第2章分を再構成して「コミュニティダンスの日英の現状から見たプロモーション再考」として鳥取大学紀要に載せました。

SPAC enfant ANGELS 振付アシスタントワーク
 2年の時を経てメルランニヤカム氏と静岡の子供達のアフリカンコンテンポラリーダンス作品が完成しました。(昨年はワークインプログレスとしての公演でした)前編タカセの夢から7年。今年は大学との掛け持ちでなんとか乗り切りましたが、ここからは子どもたちに委ねていきたいと考えています。

2016年12月5日月曜日

Mobius東京 映像

撮影:中川泰伸

2013年の洞窟ダンス

sound and art cultivationで久々にあった大岡さんが懐かしい映像を掘り起こし復活してくれました。2013年。3年前かとれいさん共々思うのでした。

Sound and Art Cultivation





Sound and Art Cultivation

三重県松阪にあるレストランカルティベイトさんにて踊りました。











以上2枚は仙石さんが撮ってくれてたもの。でもあの操作をしながらいつの間に!!!


カルティベイトは松坂にあるレストランとアートスペースです。小物などかわいいものが並んでいます。








 この模様はどうやって出ているかというと超アナログです。でも3台使いこなすんだからすごいことです。
おいしいごはんごちそうさまでした。

2016年10月9日日曜日

音楽とダンス、ハーブの時間@森のテラス Sound and Herb vol.4

音楽とダンス、ハーブの時間@森のテラス Sound and Herb vol.4

 昨年森のテラスで開催したイベントが今年も開催されます。見て、聴いて、味わって、緑に触れてしまう、そんな緩やかな会です。のんびりしたテラスでの1日をお過ごしください。


日時:201610813時開場13時半開演
料金:2500円(フレッシュハーブティーつき)
ご予約、お問合せ:kinokoticket@gmail.com(席数に限りがございます。ご予約をお勧めいたします。)


池田千夏:大阪府出身。ピアノ弾き。高校の頃より作曲も始める。ジャズ、即興音楽に傾倒し上京、全オリジナルのピアノトリオを結成、独自のアコースティックな音世界を作る。現在はソロ、デュオなどでも活動中。

木野彩子:踊子。もとは振付家。即興音楽とダンスの可能性を追求するうちに振付から離れてしまう。あんまり考えないでただ踊りなさいと勧められる。札幌東京パリロンドンぐるぐる回って現在はなぜか鳥取。http://saikokino.jimdo.com


ジプシーカフェ葉花:植物の力を身近にをテーマにハーブのある暮らしを提案するユニット。アロマセラピストの八代眞由美、ハーブコーディネーターの金子優子による、ハーブティーとハンドマッサージのミニ講座もお楽しみいただけます。


Dance New Air2016と連携しています。
Dance New Air 2016
2016101日(土)~10日(月・祝) 
2年に一度のダンスの祭典。青山がダンスに染まる10日間!
会場:スパイラルホール、東京ウィメンズプラザ、シアター・イメージフォーラム 他
プログラム:山田うん、伊藤キム/フィジカルシアターカンパニーGEROKENTARO!!/東京ELECTROCK STAIRS、ヴェルテダンス(チェコ共和国)、向井山朋子(オランダ/日本/イタリア)、カンパニー・アドリアンM/クレールB(フランス) 他
http://dancenewair.tokyo
連携特典
「該当公演タイトル」公演のチケットとDNA2016のプログラム(パフォーマンス、ダンスフィルム 他)のチケット計5枚でミナ ペルホネン特製フェスティバルTシャツをプレゼント。詳細はこちら 







今回のテーマ:食事に使われる身近なハーブについて
前半
それぞれのハーブに関するミニ講義とともに10分程度の即興パフォーマンス
⑴オリーブ:オリーブはオリンピックの時の勝者に渡される冠にも使われているそう(わたしは月桂樹だと思っていたのですが、月桂樹は芸術面限定だそう)ということでオリーブの冠とともに。
⑵タイム:夏の夜の夢のタイターニアのベッドという言葉もありましたが、脱線しすぎとカットに。贈り物として使われた逸話から小箱とともに。
⑶ローズマリー:ローズマリーウォーターは若返りの水と言われ、70歳代のハンガリーの女王が隣国の王子にプロポーズされたという言い伝えがあるのだとか。と、いうわけで水で清めさせていただきました。
実際には小物から動くというよりはその匂いと味とお話しが動きを作り出すきっかけになっています。

休憩:これらの食材を使って作ったパン(ローズマリーを発酵して作ったパン)にオリーブオイルを使って食べてみましょう。
オイルにはタイム、ローズマリーの他唐辛子、にんにくなどを詰め保存しておくとパスタなどにも使えて便利です。

後半
口直しに配られたレモンバーベナのお茶をもとに長めの即興、雨が上がったのでテラスへも出て。

最後に池田さん楽曲「みどりのゆび」に合わせて、ハンドマッサージ講座を。

盛りだくさんの1日になりました。
なお、衣装、毎回好評ですが金子さん作です。金子さんはオーガニックコットンを扱っていて、衣装制作の他小物なども作っています。
今回写真を撮るという重大なことを忘れており、一切記録がないという失態をおかしてしまいました。残念です。。。







Mobiusシカゴ Photos

Mobiusのシカゴ版はここにいない人のためのダンスになりました。
舞台中央に置かれた椅子の意味を踊り手も、演奏家も、静かに感じるそんな会だったと思います。映像も送っていただいたのですが、近々vimeo に出すとか出さないとか言っているので、詳細決まりましたらリンクを貼ります。

プレパフォーマンスとして別室でパフォーマンスを行ったMitsuさん。日米ハーフで日本にも3年住んでいたし日本語も話せます。なぜかユーグとも友達。

本来は劇場の部分にお客さんに座っていただき、そのウィング(袖幕)を利用して4つの部屋を作りました。鳥取の各部屋で起きたことを話し、そして踊ります。
 屋上部分で起こったことも健在
 そして気が付いたでしょうか。ダンサ−4人なのです。



で、この後に私は語ります。
しかもここにはいないダンサーとして、ここにはないチェロの音ともに。(About Rachel)

そんな感じで記念写真もパチリ。
ちなみに写真はカーラの彼(Jeremy O'Donnell)さん。すごいいい人。


Mobiusシカゴ プログラムノーツ

Mobiusの元々のコンセプトとして円形から四角い劇場へといかに変化していくかという考え方があり、鳥取のプログラムノーツにはそのように記載されています。またEdgeを上演する予定でした。
が、様々な諸事情により、今回はまた新しい作品として以下のような形で上演しました。
A5サイズの印刷で半分に折っているため、このようになっています。
作ってくれたのはCMCのKayさん。優秀なマネージャーさんですが、もともとはCMCで踊っていたそうです。(その当時の写真がスタジオに飾ってあります)ありがとうございます!







2016年9月12日月曜日

Mobius 東京 プログラムノーツ

東京編
求道会館
創立者近角常観が浄土真宗の信仰に基づき、仏教によって結ばれる人々の交流を願い建設した教会堂。優れた歴史的建造物として東京都の指定有形文化財になっている。http://www.kyudo-kaikan.org
1階の講堂、2階のアーチ型回廊の両方を用いて作品を展開し、シカゴ公演へとつなぎます。原型となる”En attendant,,,,,”(2015,木野彩子ソロ),CMCレジデントアーティスト加藤文子によるダンス作品も合わせての公演。
出演: Chicago Moving Company
    森重靖宗(チェロ),
    横山祐太(トランペット),
    木野彩子
照明:加藤泉
映像撮影:中川泰伸
協力;吉福敦子、蔀健、日本基督教団巣鴨教会
鳥取編映像:佐々木友輔(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)
日時:2016.9.2 7:30PM(開場は開演の15分前)
場所:東京都文京区本郷6丁目205号(本郷3丁目駅徒歩7分)
料金:3000円(学生2500,当日500円増)
主催:Chicago Moving Company/木野彩子
supported by MacArthur Foundation(マッカーサー財団国際交流基金)、芸術文化振興基金 

此岸より
 blue fish -reveal-
  (シカゴ市文化庁助成2017春初演予定blue fishより抜粋)
  振付・出演加藤文子
音楽: Christian Walfarth, György Ligeti
blue fish。深海に住むその存在さえ未知の魚。福島の原発事故から5年。原発再稼働、2020年東京オリンピック、憲法改正案。経済成長の為に続く自然破壊と命の犠牲。人もまた自然。こころとからだはどこまでバランスが保てるだろう。転換をもたらす動きのチカラを信じて。
彼岸より
 En attendante,,,,,2015
構成、出演:木野彩子
楽曲提供:上地正彦(Amanogawaのテーマ)
Freistil( Berlin Tantz fabrik)、カトルカール(東京セッションハウス)で上演した作品をMobiusの原型ということで再構成しました。構成上森重靖宗(チェロ)に出演いただきます。
 Mobius
 2階:HOSPITALEの部屋の記憶を辿るということ。(音楽構成:森重靖宗)
  個室:加藤文子
  図書室:レイチェル バンディング
  地球儀のある部屋:カーラ ベルトゥチェンコ
  配膳室:ジェシー ヤング
  滑車のある部屋:プレシャス ジェニングス
  地から呼ぶ声:横山祐太(トランペット)

1階:Mobius ここにはない彼方の世界

Mobius鳥取 photo and film

映像:佐々木友輔(鳥取大学芸術文化センター)



写真:田中良子



Mobius 鳥取 プログラムノーツ

Mobius
 Dance and Music series
 collaboration betweenChicago Moving company and 木野彩子 

HOSPITALE 鳥取
2016.8.27/28 6:30PM

求道会館 東京
2016.9.2 7:30PM

Hamlin Park Theater シカゴ 
2016.9.22/23 
ごあいさつ
 私は踊る時に何者かに動かされていると感じてきました。それが音楽の時もあればその場所の持つ雰囲気であったりもし、おそらく人によってはそれを神といい、私の中のもう一人の自分といい、私は常にそんななにものかとともに生きてきました。
 演劇が人との対話と言葉の力により社会とは何かを生み出していく作業であるならば、ダンスはそのような感じ取ってしまったなにものかを表していく、そんなものです。目に見えない、言葉にならない何かを私はずっと見つめています。

 メビウスの帯(輪、Möbius strip)はドイツ人のアウグスト・フェルディナント・メビウスが思いついた一回転ねじってある帯です。ご存知の通り永久に続く円運動です。フランス人のチェリストHugues Vincentとのトライアルで、彼のアルバムメビウスの鳥から名付けられました。(なお、そのアルバムで共演している鉢屋真紀さんとも作品を作ることになっています)四谷3丁目の小さな喫茶店から始まった音楽とダンスの関係性を探るこのシリーズは上地正彦(ピアノ、バスクラリネット)、中沢れい(ダンス)などを巻き込み、これまでフランス、ドイツ、札幌など転々と移動しながらパフォーマンスをしてきました。音楽家だけが音を出しているわけではない。ダンサーの声や足音や、衣装の擦れる音もまた音楽だ。ダンサーだけが踊っているわけではない。音楽家もまたそこに存在し時には動くこともある。そして相互に影響を与え合っている。ニーチェが指摘するまでもなく、音楽とダンスの関係性はおそらく永遠に切っても切れない縁と言えることでしょう。交わらないからこそ永遠に続く。メビウスの表と裏は追いかけあっても決して出会うことがないようにこのDance and Musicはずっと考え続けていくのだと思います。

 さて、この企画書を書いて提出し、一安心した頃、気がつきました。Mobiusと書いていることに。点々がない。Möbius stripはドイツ語でした(Huguesはベルリン在住なのです)。永遠回帰しそびれたこの帯はどこにつながっているのか。鳥取、東京、シカゴと3つの会場の場所の力を借りながら、メビウスの輪のおそらく真ん中に向かって覗き込んでみます。石炭袋の中のような真っ黒の闇に向かって、おーいと呼び続けるそれもまたダンスなのです。

 ダンスの見方に答えなどありません。
 思いついたことを感じたことをそのまま受けとめて、もしできれば私に聞かせてください。その言葉がもしかしたらこの帯の謎をとく鍵になるかもしれません。


木野彩子
 

鳥取編
HOSPITALEプロジェクト
鳥取市中心地にある横田病院跡地をアートギャラリーとして活用、展覧会、パフォーマンス、ワークショップなどを開催している。

 病院内の小部屋を移動しながら見ていきます。ワークインプログレスとしての公演。(東京、シカゴ公演の原型となります)

 出演: Chicago Moving Company,
やぶくみこ(パーカッション),
森重靖宗(チェロ),
横山祐太(トランペット),
 構成、照明デザイン:木野彩子
 映像撮影:佐々木友輔(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)
 写真記録:田中良子
 協力:赤井あずみ、藤木美里(HOSPITALEプロジェクト)

 日時:2016.8.27/28 6:30PM(開場開演同時刻)
 場所:鳥取県鳥取市栄町403(鳥取駅徒歩7分)
 料金:1500円(当日2000円)

関連企画 
アメリカとシカゴのダンス事情について聞くトークイベントを開催。
2016.8.24 7:00PM場所:HOSPITALE













東京編
求道会館
創立者近角常観が浄土真宗の信仰に基づき、仏教によって結ばれる人々の交流を願い建設した教会堂。優れた歴史的建造物として東京都の指定有形文化財になっている。
1階の講堂、2階のアーチ型回廊の両方を用いて作品を展開し、シカゴ公演へとつなぎます。原型となる”En attendant,,,,,”(2015,木野彩子ソロ),シカゴ在住のCMCレジデントアーティスト加藤文子によるダンス作品”Blue Fish”も合わせての公演。
 出演: Chicago Moving Company
    森重靖宗(チェロ),
    横山祐太(トランペット),
    木野彩子
 照明:加藤泉
 楽曲提供:上地正彦「Amanogawaのテーマ」
 映像撮影:中川泰伸
 協力:蔀健、日本基督教団巣鴨教会、
  日時:2016.9.2 7:30PM(開場は開演の15分前)
  場所:東京都文京区本郷6丁目20番5号 求道会館(本郷3丁目駅徒歩7分)
  料金:3000円(学生2500円,当日500円増)

シカゴ(アメリカ)編
 円形、半円形と変化をしながら最終的には劇場にての公演を行う。木野の代表作となる”Edge”(2003,2010),CMCダンサーによるダンス作品も合わせて3作品の公演。木野にとって初のアメリカ公演。
 出演:Chicago Moving Company
    やぶくみこ(パーカッション)
    横山祐太(トランペット),
    木野彩子
 日時:2016.9.22/23 7:30PM
 場所:Hamlin Park Theater


主催:Chicago Moving Company/木野彩子
共催:鳥取大学地域学属芸術文化センター
   Hospitaleプロジェクト
supported by MacArthur Foundation(マッカーサー財団国際交流基金)
  芸術文化振興基金 





出演者プロフィール
Chicago Moving Company (CMC) 
Karla Beltchenko, Rachel Bunting, Precious Jennings, Ayako Kato, Jessie Young
 今年 43周年を迎えるChicago Moving Company (1972年、前芸術監督ナナ・シャインフラッグにより発足)は、シカゴで最も著名なカンパニーのひとつ。NYタイムズ紙で「大胆、且つ荘厳...桁違いのエネルギー」と評される。その革新的な芸術性とパワフルなパフォーマンスにより、現在までにNational Endowment for the Artsより4度の振付奨励金、Chicago Dance CoalitionLifetime Award, 及び2014年のNew Stages for Dance Award等を受賞。またベルリン、サルバドール(ブラジル)、ウランバートル(モンゴル)等にツアー、シカゴ・シンフォニーとの共演、シカゴ大学オリエンタル・インスティテュート、ロヨラ大学等より委嘱され、コラボレーションを行う。2007年より、モンゴルとの文化交流を芸術評議会、またダンサーを通じ展開。ウランバートルへのツアーを始め、2013年には、モンゴル人ダンサーOdbayar Batsuuriを国際アーティスト・イン・レジデンスとして受け入れた。2013年、CMCは年間を通じ様々な40周年記念イベントを実施し、国内外の著名なカンパニーがプロデュースされるDance Center Columbia College のシーズンにて記念公演を行う。今回の木野彩子との交換は、2016MacArthur Foundation International Connections Fund (マッカーサー財団国際交流基金)の受賞によって実現。本作品は、新芸術監督カーラ・ベルチェンコ率いるCMC初の国際委嘱作品となる。1995年以来、CMCはアーツ・パートナー・イン・レジデンスとしてHamlin Park Theaterにて活動を続け、地域貢献を目標としたダンス施設として、たゆみない発展を続けている。

カーラ・ベルトチェンコ Karla Beltchenko

舞踊家、振付家。Chicago Moving Company芸術監督。2010年よりChicago Moving Companyメンバー。2015年英国ロンドンにて、Trinity Laban Conservatoryより芸術学修士を取得。米国、イギリス、イタリアにて作品を発表。ダンスビデオ作品に傾倒し、実験的スタイルにて作品を発表。NET (Network of Ensemble Theatres)の主催によりシカゴ現代美術館、シカゴ・コロンビア大学において行われたMovement Exploration in the Cinematic Mediumにてプレゼンテーションを行う。


レイチェル・バンティング Rachel Bunting
舞踊家・振付家。2002年よりChicago Moving Companyメンバー。シカゴ・コロンビア大学演劇学科講師。フェルデンクライス認定講師。2004年よりダンスカンパニーThe Humans芸術監督。イメージの世界を現実として動きで顕す独特の作品世界はMagic Realismと高く評される。Movement Researchジュッドソン教会パフォーマンス(ニューヨーク)、ニューヨークThe Joyce Theater、The Dance Center Columbia College Chicago主催A.W.A.R.D.Show!等にて作品を発表。2011年Chicago Dancemakers Forum ラボ・アーティスト・アワード受賞。2004年よりChicago Moving Company Hamlin Park Fieldhouse劇場アーティスト・イン・レジデンス。

プレシャス・ジェニングス Precious Jennings

アイオワ州出身。舞踊家・振付家。2009年よりChicago Moving Companyメンバー。シカゴ・コロンビア大学演劇学科講師。ヨガ講師。マッサージセラピスト。2004年よりThe Humansと、またニューヨーク在住のK.J.Holmes、シカゴにて加藤文子、Julia Rae Antonick等とダンサーとしてコラボレーションを行う。2015年、Links Hall LinkUPアーティスト・イン・レジデンスを受賞。近年、Body-Mind Centering (tm) や、演劇の Lucid Body(ルーシッド・ボディ) Technique、及び Grotowski (グロトフスキ)に基づく手法を取り入れ、ヴォーカル、演劇身体表現、解剖学の知識を発展させたダンス作品の制作に取り組んでいる。

ジェシー・ヤング Jessie Young

舞踊家、振付家。写真家。イリノイ大学アバナ・シャンペーン校ダンス学科芸術学修士。写真、ビデオの手法を取り入れ、アスレチックな作品づくりを行う。現在までにFringeArts (フィラデルフィア), The Current Sessions (ニューヨーク), Festival International de Teatro Susana Alexander (メキシコ), Fleet Moves Dance Festival (マサチューセッツ州ケープ・コッド), The Domestic Performance Agency (ニューヨーク) 等にて作品を発表。 ダンサーとして、11を超えるカンパニーと米国内外で公演を行う。jessie-young.com

加藤文子 Ayako Kato

舞踊家、振付家。キュレーター。1998年よりAyako Kato/Art Union Humanscape芸術監督。ミシガン大学ダンス学科芸術学修士。現在、米国シカゴ在住。人間の心身に内在する自然、自己と他者の重力の感得に着目し目に見えない物を動き・舞踊を通し顕す。現在までに振付40作品を創作。50を超える音楽家との即興コラボレーションは100回を超え、米国、日本、ヨーロッパにて発表。その舞踊作品は、NYタイムズ、シカゴ・トリビューン紙等にて高い評価を受けていいる。2010年よりChicago Moving Company Hamlin Park Fieldhouse劇場アーティスト・イン・レジデンス。www.artunionhumanscape.net



森重靖宗(チェロ)www.mori-shige.com(鳥取・東京)
チェロ奏者、即興演奏家。東京在住国内外の数多くの音楽家や舞踏家等と共演。アコースティック楽器の可能性を広げて奏でられるその様々な音響は、繊細かつ豊かで独特である。時に自作曲のチェロによる弾き語りや、ピアノを使った演奏なども行う。灰野敬二率いるバンド「不失者」ではエレキベースを演奏。

横山祐太(トランペット)(鳥取・東京・シカゴ)
  トランペット奏者。即興演奏を主体に札幌にて活動中。ヨーロッパ、アジアなど、国内外のミュージシャンとライブやツアーを行う。音楽家以外にもダンサーや舞踏家との共演も多く、田仲ハル、小山彰太等と共演。

やぶくみこ(パーカッション)http://mukubaynooto.jimdo.com (鳥取・シカゴ)
  打楽器奏者/作曲家、岸和田生まれ京都在住。ジャワガムラン、ダルブッカ、瓦などのを演奏する。演劇やダンスとのコラボレーションや環境と対話する即興音楽を中心 に活動中。淡路島にて瓦の音楽プロジェクト進行中。京都のガムラングループスカル・グンディス主宰。


木野彩子(振付・構成)http://saikokino.jimdo.com 
  札幌生まれ。幼少よりモダンダンスを始める。お茶の水女子大学にて舞踊教育学を専攻。卒業後は牧野京子のもとで学び、ソロを中心に自らの身体と向かい合った作品作りを行う。”Edge”Yokohama solo duo competition2003横浜市芸術文化振興財団賞を受賞。以降日韓ダンスコンタクト、ネクストウェーブダンスなど横浜、東京、ソウルで作品発表を行なう。 2004年より文化庁在外派遣研修員としてパリで研修、2005年よりロンドンにてRussell Maliphant Companyのダンサーとして活動。 The Place Prize 2008のコミッションをうけて制作した作品”IchI”は好評をえた。2009年より神奈川と札幌を拠点に日本での活動をはじめる。川崎市アートセンタークリエイションサポート事業対象アーティストとしてワークショップとダイアログから映像を制作するAMANOGAWAプロジェクトをたちあげ、現在も全国各地へ運ぶべく活動を続けている。

指導者として大学短大で身体表現教育に携わる他、子育て世代及びシニア向けワークショップ、中高生向けワークショップを展開、ダンスを一般へと広める活動を行っている。静岡舞台芸術センター(SPAC)のSPAC enfantプロジェクトタカセの夢””Angels”2010年よりカメルーン人振付家メルランニヤカムの振付アシスタントとして参加している。

2016年より鳥取大学芸術文化センター講師。