2017年11月7日火曜日

みみをすます@高知美術館中庭

みみをすます

詩:谷川俊太郎
朗読:浜田あゆみ
音:Miya
踊り:カタタチサト、木野彩子
構成:木野彩子
衣装に使われている和紙は土佐和紙と因州和紙(鳥取)を使用しています。

このなかにわで、しずかにみみをすましてみると、きこえていなかったおとがきこえてきます。みずのながれ、かぜのこえ、とりのはばたき。すでにこのよのなかはたくさんのおとでみちみちています。
おとはいのちのはどう。ことばもおどりも。すべてのせかいはつながってるのにみのがしてしまう。べつのものだとおもってしまう。
ふだんはとざされているがらすのむこうがわ。とびらをくぐるしゅんかん、ほんのすこしあるくそくどがゆっくりになる。そんなじぶんにであえますように。


浜田あゆみ 高知出身。役者。
ふたりっこプロデュース代表。カナダのUniversity of Victoria 芸術学部演劇科卒業。東京での活動を経て2015年より高知を拠点に活動開始。土佐和紙を用いた滞在制作プロジェクトを毎年実施中。https://futarikkoproduce.wixsite.com/home

Miya フルート奏者/作曲家。
東京を拠点にヨーロッパ、アジアなど国際的に活動。山下洋輔をプロデューサーに迎えた「Miya's Book」などこれまでに3枚のアルバムをリリース。ジャズ、即興ミュージシャンとして、民謡など自然や生活に根ざした音楽を取り入れながら、独自の世界観を追求している。2015年よりシャンパーニュ騎士団(仏)ダム・シュヴァリエ。

カタタチサト 高知出身。ダンサー・演出家・ファシリテーター 
5才より内山時江モダンバレエ研究所にてモダンダンス・バレエの基礎を学ぶ。日本女子体育短期大学体育学部舞踊学科卒業。在学時より舞踏を土方巽直系の和栗由紀夫に師事。和栗由紀夫+好善社に6年間在籍し、ほぼ全作品に出演。2000年~2006年には第3世代舞踏グループ東雲舞踏結成メンバーとして国内外で活躍。現在高松在住、DanceBonBonという屋号で、多ジャンルアーティストとコラボしながら観る場・創る場・子どもたちへの場作りも積極的に行っている。http://dancebonbon.com

木野彩子 踊子

ピンクレディに憧れてダンスをはじめ札幌東京パリロンドン、たまに韓国静岡まわりまわって現在は鳥取在住。鳥取大学地域学部附属芸術文化センター講師としてダンスとはそもそもなんだったのかと模索中。即興音楽とダンスでまちなかをジャックする鳥取夏至祭はじめました。https://saikokino.jimdo.com






プログラム原稿には載っていませんが
鳥:戸井香織
協力:ふたりっこプロデュース(artist residence、和紙提供) ,スタジオイマイチ(山口、2017年6月ダンスと暮らしでソロ作品として初演し発展させました)



2017年10月27日金曜日

高木東六講演会「鶴」


10月21日@米子市公会堂(鳥取)高木東六の音楽レクチャーとともに。「鶴」

 島根大学藤井先生(高木東六研究者)のお誘いで鳥取出身の作曲家の作品をもとに鶴を踊りました。昨年わらべ館(鳥取市の童謡唱歌ミュージアム)の企画で韓国の人間国宝さんによる復曲に続くシリーズ第2弾。
この音楽は高木さんが朝鮮に行っていた時代にアリランや韓国舞踊を見て影響を受けて作ったものだとのこと。そのため前回は完全な韓国舞踊で。今回は現代舞踊で自由に作ってくださいと言われました。
鶴、歌詞は村山知義で、春夏秋冬と4曲あるうちの1曲で、春に生まれた鶴が父よ母よ兄よ妹よと呼び寄せいざや舞えというような歌詞なのですが最後の最後にこんな歌詞がある。
春はたけぬ、たけぬ春

たけるをどのように捉えるかで色々考えてしまいました。深まるか過ぎるか。
さらにたけぬ春は連体形なのでたけない春となり、捉え方によれば反語の形だよなあと。

呼び寄せているけれども兄や妹は来ていない、そして春はすぎて行こうとしているでもまだすぎていないと思うのだとすると解釈をしながら、ここで鶴の恩返しを思い出し、鶴の恩返し要素も振り込むという構成にしてみました。
ついでに言うと同僚が鶴と言われて思いついたクレーン(ちなみにクレーンの語源は鶴です)も動きに追加。
なかなかない、と思う。

鶴の恩返しに合わせて衣装を着物風にし、韓国舞踊の要素と日本舞踊の要素を足して「現代舞踊」風(コンテンポラリーではなく日本の古き良き(?)現代舞踊)にアレンジ。私は石井獏系ではないですが、まあ良しとしましょう。

 こんな感じで貴重資料の展示もあります。これらは鳥取市(東部)のわらべ館と山陰歴史博物館(米子)の協力によるもの。講演会でも、王子製紙米子工場の歌(高木氏作曲)などマニアックなラインナップ。地元でなければ出てこないような貴重資料がザクザク。
なお、最近の社歌ブームをおもうと、かなり初期の頃に手がけていた(全社員にレコードが配られたりしたそう)ものでそういう意味でも興味深い。
 珍しく化粧をしている姿。でも肌黒い鶴。
多分15年ぶりくらい。レアです。
 クラシックの雰囲気の中に間違って来ちゃった鶴さんな感じでてますね。ちなみにこれがクレーンの動き。


アンコール用に水色のワルツも一曲。
こちらがチラシとパンフレットになります。













音楽は楽譜があるのですが、ダンスは記譜法が確立されておらず、多くの踊りはその場から消えていきます。
それらを当時の証言をもとに史実に基づいてきっちり復元させていくというのも一つの大事な研究です。が、それと同時にそれらをヒントに今に繋いで新たな解釈を加えながらまとめていくのも創造性に溢れる楽しい作業ではないかと個人的には思います。
アーカイブ事業はダンス業界で今流行りですが、こんな形になったのか!と言いながら当時に想いをはせてみる。そうすることで歴史に埋もれていた作品が日の目に当たっていくのです。この考え方はダンスアーカイプ構想の影響だなあと思います。ダンスハ體育ナリもそんなところから考案されたのでした。
そんな時に今回の藤井先生のように研究者の言葉や視点があるのは心強いものです。
これまで私自身は自分で調べながら作品を作っているのですが、ちょっとかしこさが足りないので、ブレーンさんを呼べばいいのではないかと感じました。ブレーン募集しています。

2017年10月13日金曜日

始まりの祭り

10月7、8日始まりの祭り@妻木晩田遺跡(鳥取)
 夏至祭を見に来た大山チームより是非にとのお誘いが。先日アイヌ刺繍で盛り上がったついでにアイヌ踊りを調べてみようなどの話が出てました。

お祭り自体は大山ガガガ学校と妻木晩田遺跡の学芸員の協力のもとアイヌ文化を広げる活動をしているアシリレラさん、夏至祭やMobiusでもすっかりお世話になっているやぶくみこさんも集まって、ユーカラ(歌、踊りも一曲。アイヌ神謡集の「金のしずくふるふるまわりに」もあり、個人的にはちょっと嬉しかった)あり、カムイノミ(お祈り儀式)あり、ガムランワークショップあり、歌って踊って叩いちゃうなんでもありな会(私の中では夏至祭に続く弥生収穫祭@妻木晩田)もありの楽しい3日間でした。

カムイノミのせいか、雨と言われていたのに、晴れまくりで、私は真っ黒黒に焼けてしまい、黒い鶴(次の演目は鶴)になってちょっとしまった、、、と思っています。


超晴れまくりのこんな感じ。私が来ているのは弥生の服に似せて作った貫頭衣(手作り)
中心にいるのはこっちの大山研究所大下しほさん。
木野は太鼓やチャクチャスを持って皆さんをご案内するツアーガイドです。

 センターだけではなく主要な遺跡を学芸員の長尾さんが説明してくれます。(森の妖精のよう)ちなみにここは竪穴式住居、復元。下に同じような建物の跡があり、それを丁重に保護して埋めた上に立てています。
ここは村のはずれで、一軒だけ離れて立っているとのこと。その後ろはお墓。
お墓を守ったり、儀式をするための場所だったのではないか?とのこと。
また光が差し込んでいて、お墓側に窓が開いています。西窓です。(つまり春分、秋分の時に来いということです)
ジャンベや太鼓やいろんな鳴り物を持って演奏しまくり、光の中で踊りまくり。
竪穴式住居を出ると、この眺め。一番いいところにお墓があるのです。これらのお墓もその上に乗ることができます。で、ちょうどいいサイズの石の配置なので寝てみます。


 カサラファーム(奥大山にある農園)でアフリカンドラムやってるサイモンさんたちも合流、みんなで楽しく踊る日でした。

考古学はあくまで掘って見えてきたものから推測していくのだけれども、どんな暮らしだったのか、どんな踊りが踊られていたのかは想像です。祈りや鎮魂やそういう気持ちを持って踊る踊りは必ず人の心を打つのです。
こんな光景を思い浮かべていたと長尾さんと大下さんが涙をこぼし、私はこういうときのために踊ってきたのかもしれないと思ったのでした。

鳥取大学体育会系ダンス部自主公演 翔

鳥取大学体育会系ダンス部は3年生までで部員数70名を超える大所帯。私は顧問ですが、学生がしっかりしているので、全部自分たちで動くたくましい子たちです。
毎年All Japan dance festival(神戸)に参加するときは創作ダンスを作るのですが、基本はストリート系で、よく大学学食前で強引にライブを開催したりしています。
部活は週3回ということになっているのですが、どうも裏で色々やっているらしく(顧問的には見ないことにしている)、3年になる頃にはそれなりに上手くなるのです。

今年テストが重なったり、申し込み締切を間違えたり、様々な理由で神戸大会に参加できなかった3年生はでもこれではいけないと自主公演をすると言い始めました。
そして次にあった時には劇場と照明さんを押さえ日程も全て決めてやってきました。(ちゃんと相談しなさいというのが後から教訓として残っています)

色々あって大変ではありましたが、舞台で踊るという経験はなかなかできることではありません。特に人数も多いので、普段のストリートパフォーマンスなどでは全員で踊るという経験すらできません。なので、こういう時間を持つことができたのはとてもとても良かったと思っています。
特にこれまではイオンモールのエスカレーター前で踊るのがメインイベントだっただけに、自分たちがやってみたいなということをやってみる勇気を持つことができた。踊る場所を作ることができるということを知ったのは大きかったと思うのです。

こういう子たちが卒業してからも当たり前のように集まって踊るようになったらきっと変わるんじゃないだろうかとそんなことを思うのでした。


チラシ校正とかちゃんと見せに来ないし、プログラムも見せないまま印刷出しちゃうし、自分たちで頑張る分抜け落ちているところもたくさんありながら、でもやってみちゃうこと。勢いは大切だと思います。


木野は舞台監督だったのですが、踊って欲しいと言われ、なんと一曲だけ踊ることに。
「からたちから」の最後の踊りをちょこっとアレンジして、照明もついて消えるだけのシンプルな形で(でも四角)3分半ほど踊ることにしました。
鳥取初舞台です。

2017年8月2日水曜日

今後の予定(2017.8.2)

○木野踊ります。

いろいろあり、久しぶりに声をかけてもらったこともあり、踊ります。現在のところは以下の予定。呼ばれればどこへでも。おどりこさいこ


8月5日鳥取Jazzの皆さんに誘われておそとで踊るらしい@パレット鳥取

8月11日鳥取大学ダンス部初の自主公演@鳥取市民会館 「からたち」
 何か小さい作品をということで、急遽からたち1曲のみのバージョンで作っています。この前神戸でリクエストがあったのでそれを受けて。ちなみに私、舞台監督です。

10月7、8日弥生祭@妻木晩田遺跡(鳥取)
 夏至祭を見に来た大山チームより是非にとのお誘いが。先日アイヌ刺繍で盛り上がったついでにアイヌ踊りを調べてみようなどの話が出ています。

10月21日@米子市公会堂(鳥取)高木東六の音楽レクチャーとともに。「鶴」
 島根大学藤井先生(高木東六研究者)のお誘いで鳥取出身の作曲家の作品をもとに鶴を踊るらしい。恩返しの方ではありません。ダンス研究的には石井漠が振り付けたらしいのですが、資料は出てきていないので、ちょっと難関です。

11月4日高知美術館中庭(高知)「みみをすます」
 6月のイマイチパフォーマンスで取り上げた谷川俊太郎の詩でリベンジ。今回はMiyaさん(フルート、東京)、カタタチサトさん(ダンス、高松・高知)、浜田あゆみさん(朗読、高知)にご協力いただき、開館記念のお祭りの中、静かな時間を演出します。水辺に降り立つ鳥でしょうか。鶴?!

11月24、25日女子体育連盟全国大会(米子)
 なぜか鳥取で開催される全国大会。前任の佐分利先生が頑張っているので、お手伝いしています。踊りませんが、もう大変です。

12月3日ミニワークショップと小さなコンサート@ちいさなおうち(米子鳥取)
 tottoでもお世話になっている水田さんがやっているアートスペースの企画。米子出張が続きます。

今年の大きな勝負は高知美術館中庭の水でしょうか。


○ダンスハ體育ナリ続編について
現在、来年2月に発表できるように頑張ろう計画が進んでいますが、昨年に引き続き鳥取大学地域学部の教養科目として「グローバル時代の社会と国家」で1時間担当し、お話させていただきました。今でも毎月のようにダン体ゼミ(プロデューサーとの対話)が進行していて、もはやダンスではないけれど、これはこれでまとめなければいけないなあと思っています。ちなみに前回の話題は盆踊りとパラパラの類似性について池袋ニュー盆踊りを参考に。まだまだ続いています。

昨年は明治期の運動会、体操の変遷をたどりながら、オリンピックまで話を膨らませて「体育」がスポーツへと変わりつつある流れを学びました。
今年は1940年になくなってしまった幻の東京オリンピック・万博・札幌オリンピック(すごいな、全部やろうとしていたんだ)にフォーカスを当てています。
というのも、ダンスハ體育ナリで出てきた謎の体操写真、ほとんどが1938年。オリンピックがなくなった年です。しかしその後、オリンピックは中止になっても競技場の造成は続き、体操の流行へと走ります。軍国主義とこの体操の乱立は実はつながっていて、集団で揃って行う体操こそが訓練でありました。
何万人もの人が一箇所に集い同じ体操を一糸乱れずに行う写真が大量に出てきます。また、皇国2600年奉祝祭の関連イベントとして数多くの競技会が開催されました。

昨年のプログラムノーツの言葉です。
ダンスもスポーツも社会に利用されつつ発展してきた。知らず知らずに影響を受けてしまうものだからこそ、知る必要がある。踊る上で大切なことは当事者として感じ、考えること。現代はそんなにファンタジーじゃないし、カッコつけてる場合じゃない。今、必要なことを考えるためのダンス。それを私は作りたいと思う。


今回はダンス関係者ではないため、大野さんのお話はありませんが、西洋的近代的身体を作り上げるために生まれた体操にフォーカスを当て、日本人の「揃った動き好き」について考える内容を目指します。
 そのうちまとめて第2弾、いきます。
鳥取在住者で興味のある方は木野までおしらせください。



グッケンハイムと鳥取デビュー

7月3日旧グッケンハイム邸(神戸)池田千夏トリオ
7月7日鳥取大学アートプラザ 池田千夏デュオ

東京時代に行っていたsound and herbの池田さんが関西に来るというので、グッケンハイムと鳥取で踊ることにしました。ちなみに衣装の金子さんも神戸にはいらっしゃるとのことで白い妖精さんモード(滅多に着ることはないタイプ)の木野お披露目です。

グッケンハイムの時にはトリオだったこともあり、日本の唱歌シリーズとかが入っていて、夏だけれどペチカとか。からたちも。趣のある洋館はそのままでも絵になるので、とても素敵です。実は庭が結構広くて、狙っていたのですが、残念ながら夜は暗くていまひとつ。次に来る時はマチネ設定して外でも踊りたいものです。
最近は鳥取に来たせいもありますが、おそとダンスが増えています。サイトスペシフィックというべきでしょうか。その場所を利用して踊る。
本当はからたちからの時のようにちゃんとリサーチして場所もしっかり使い込んで踊りたいものです。
塩屋いいところでした。神戸とは思われないのんびりした感じで。

鳥取ではうちの学生さんたちがわらわら来る中、水谷さん曲を中心に構成が変わり、ぐっとインプロ色が強くなりました。(曲なのだけれど、自由度が高い)当日リハでああでもないこうでもないと模索してましたが、音もダンスも同列なんですほんとはと言う感じが伝わったらいいなあと。
見に来てくれたうちの先生が「次から次へと世界が生まれてくる玉手箱のようだった」というちょっと夢のような言葉をくれました。もう一つキーワードは「そこ(メール本文を読まないと話からなくてごめんなさい)に世界がひらかれている確かさ」。すごいなあ、見えちゃってるんだなあと。これはかなり励まされます。
遠くへ。エネルギーをおくってみました。

みみをすます@スタジオイマイチ(山口)

6月17,18日スタジオイマイチ(山口)
谷川俊太郎「みみをすます」をもとに。
今回夏至祭の直前のかなり忙しい時期ではありましたが、一つ作品を作りました。
谷川さんの詩をもとに朗読を録音し、加工し、それとともに踊るものです。
ここしばらく振り付け的にかっちり作ることができなくなってきていて、(音も生のものが多い)録音した音で踊るということは必然的に固定せざるをえなくなるわけで、なかなか大変です。
音自体も録音に録音を重ね(文字通りの意味で)ある意味、2重3重にいろんな音が聞こえるようにし、Mobiusの時のチラシの音版みたいな感じになりました。
でも動きと音を固定したことで本当に「みみをすます」ことではなくなってしまう。
つまり、この作品のプロセスにおいて、リアルに「みみをすまし」ていたわけで、それを出し切れなくなってしまったという点では未完成なのです。

私がなにものかに動かされている感覚を音上で表すとこんな感じとか、ビジュアルイメージで表すとこんな感じ(Mobiusチラシ)というのはIchIの頃から確実にあって、わかりやすくはできるのだけれど、でもそういうことではなかったはずで。
そういうわけで高知で再挑戦を図ります。

たまたまなのですが同い年が揃って、そういう意味でも面白い回でした。田村さん作品はかっちり作りこみ系だし(超ウェルメイド、名作です)、笹本さんキャラ面白すぎだし、大脇さん専門生かしまくり(テクノロジー系)。地方で活躍している面白い人たくさんいるんです。
そういうわけで日本海側ネットワーク、できるといいな(山口は瀬戸内海にもつながっているけれど)です。


驚くべきは鳥取から山口へは岡山へ出て回った方が早いという事実。片道5時間コース。
でもまた行きます!!

2017年6月27日火曜日

鳥取夏至祭2017 プログラムノーツ

ごあいさつ
見に来てくださった皆さんへ

 鳥取にやってきて1年が経ちました。学生さんたちとの生活にも慣れ始め、少しずつまちが見えてきました。鳥取に流れ着いて時間の流れがまったく異なるということを知りました。そもそも生きるとはなんだろうか、幸せとはなんだろうか、そんなことを日々考えさせられます。
 このゆっくり時間は日頃ジェットコースターのように走り抜けていく生活を送っていた私にとっては驚きです。鳥取駅前のエスカレーターと同じくらい驚きです。しかし今、この現代においてそのゆっくりさ大事なのではないかなあと思うのです。残念なことに私自身はやっぱり毎日嵐を巻き起こしている最中ですが、この異物であるからこそ、その大切さがわかるのではないか、その感覚をいろんな人に味わってもらおうと思いました。

 今回鳥取面白そうと思ってくれていた友人ダンサーや音楽家を中心にいろんな人をお招きしてみました。多分鳥取に住む人の気がつかない新しい鳥取の良さを発見してくれるはずです。
コミュニティダンスの原型はお祭りにあります。外からやってきた異物と共に一瞬浮かれ騒ぎ、楽しい時を過ごすこと。そのようなハレの時間があるからこそ毎日を豊かに過ごすことができる。小さなハレがたくさん起きて行けばいい。折口信夫は“まれびと”といいますが、よそから来た変わった人たちが始めてしまったこのお祭り、見守りながら時々巻き込まれてみてください。一緒に話し時を過ごすことでわかることがたくさんあるはずです。

 鳥取の人はシャイだからとか、おとなしいからと行く先々で言われました。でもこんな突飛な企画を支え、お手伝いいただいたりもしています。よそから来るものを受け入れるそんな度量があるのも鳥取県民の血ではないかと。変化にも柔軟で、だから麒麟獅子は150以上全て少しずつ違う。

 芸能者(芸術家)はもともと流浪の民でした。最近ではノマドと言います。そんな困ったさんたちを受け入れてくれそうな鳥取のまちなのでたてた企画です。新しい出会いと新しいつながりが生まれていくことを信じています。
 また、今後この活動に関わり応援してくださる方、一緒に参加する方も大募集中です。どうぞよろしくお願いします。


参加してくださった皆さんへ

 まずは今回この鳥取に飛び込んでくださった勇気に感謝します。即興ということで何が起こるかわかりません。しかしきっと楽しいことが起こるはずです。
今回全国各地津々浦々からお越しいただきました。これは私たちアーティストがきちんと場を持ち交流しながら活動を続けていくためのネットワークを作り出したいためでもあります。それぞれの地域に面白い場所や人がいます。そこから何か起こしていくことができないか。一人では難しくとも助け合うことでお互いに呼び合うことでできることもあるのではないかとおもいます。
 作品制作環境を考えると今後地方で活動する作家はどんどん増えていきます。孤立してしまわないように、引きこもりにならないように、新しい空気をちゃんと吸えるようにこのお祭りを設定しました。これは私自身のためでもあります。
 鳥取はなにもないけどなんでもできるは私が鳥取に赴任することを決めた時に言われた言葉ですが、場所と時間と人があります。自由度が高く、とてもゆるやかでのびやかです。ここで発見したことが作品に、あるいはこのまちで滞在制作を行うなど発展していくことになったら私もとても嬉しいです。また、そのまま作品作りに繋がらなくとも、これをきっかけに気軽に鳥取に足を運んでくれるようになったらそれもまた嬉しいです。

 現代の芸能者はノマドでありながら自分の立ち寄る場所も開拓していくのだと私は考えます。鳥取で羽根を伸ばしまた飛び立ち、渡り鳥のようにいくことを祈ります。


内容
23日前夜祭旧ヤマネデンキ
                1845分開場19時開演
                料金1500
                定員:40名
                くじ引きによる即興ダンスと音楽のセッション(オービタルリンク、中沢れいさん発案)
                自己紹介的なパフォーマンス
                ①くじ引きにより3人組を作る
                ②各自が2分ずつ即興を行う(ダンサーは音楽家を指名したり、CDなど用いても良い)
                ③その3人でセッションを行う(4分)
               
24日周遊型パフォーマンス
                15時50分ヤマネデンキ集合16時から周遊型パフォーマンススタート
                料金:1500円
                定員40名
                野外でのパフォーマンス(観客はヤマネデンキで地図をもらって巡回しながら見て回る)
                ガイドとしてパフォーマーが案内します。
               
25日ワークショップ
                10時:いなばのお袋市に出現
                1時30分:わらべ館いべんとほーる(晴天時には階段、わらべ夢ひろば含む)にて

参加費 無料
場所 わらべ館いべんとほーる
申し込みはわらべ館(0857227070)
定員は50(大人も一緒に参加できます)








夏至祭staff
                企画構成:夏至祭実行委員会
                宣伝美術、チラシデザイン:三宅航太郎(うかぶLLC
                宣伝写真:田中良子
                映像:佐々木友輔(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)
                写真:田中良子
               
                主催:鳥取夏至祭実行委員会・キノコノキカク
共催:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター、わらべ館、
協力:鳥取市中心市街地活性化協議会、新鳥取駅前地区商店街振興組合、鳥取市公園スポーツ施設協会、本通り商店街、HOSPITALE プロジェクト(旧横田医院、ことめや)、アフターアワーズ,(株)ヤマネ機材、鳥取藝住、totto、鳥取大学学生(地域学部附属芸術文化コース及び教養科目「芸術入門」受講生)、鳥取市内の皆様