2017年6月27日火曜日

鳥取夏至祭2017 プログラムノーツ

ごあいさつ
見に来てくださった皆さんへ

 鳥取にやってきて1年が経ちました。学生さんたちとの生活にも慣れ始め、少しずつまちが見えてきました。鳥取に流れ着いて時間の流れがまったく異なるということを知りました。そもそも生きるとはなんだろうか、幸せとはなんだろうか、そんなことを日々考えさせられます。
 このゆっくり時間は日頃ジェットコースターのように走り抜けていく生活を送っていた私にとっては驚きです。鳥取駅前のエスカレーターと同じくらい驚きです。しかし今、この現代においてそのゆっくりさ大事なのではないかなあと思うのです。残念なことに私自身はやっぱり毎日嵐を巻き起こしている最中ですが、この異物であるからこそ、その大切さがわかるのではないか、その感覚をいろんな人に味わってもらおうと思いました。

 今回鳥取面白そうと思ってくれていた友人ダンサーや音楽家を中心にいろんな人をお招きしてみました。多分鳥取に住む人の気がつかない新しい鳥取の良さを発見してくれるはずです。
コミュニティダンスの原型はお祭りにあります。外からやってきた異物と共に一瞬浮かれ騒ぎ、楽しい時を過ごすこと。そのようなハレの時間があるからこそ毎日を豊かに過ごすことができる。小さなハレがたくさん起きて行けばいい。折口信夫は“まれびと”といいますが、よそから来た変わった人たちが始めてしまったこのお祭り、見守りながら時々巻き込まれてみてください。一緒に話し時を過ごすことでわかることがたくさんあるはずです。

 鳥取の人はシャイだからとか、おとなしいからと行く先々で言われました。でもこんな突飛な企画を支え、お手伝いいただいたりもしています。よそから来るものを受け入れるそんな度量があるのも鳥取県民の血ではないかと。変化にも柔軟で、だから麒麟獅子は150以上全て少しずつ違う。

 芸能者(芸術家)はもともと流浪の民でした。最近ではノマドと言います。そんな困ったさんたちを受け入れてくれそうな鳥取のまちなのでたてた企画です。新しい出会いと新しいつながりが生まれていくことを信じています。
 また、今後この活動に関わり応援してくださる方、一緒に参加する方も大募集中です。どうぞよろしくお願いします。


参加してくださった皆さんへ

 まずは今回この鳥取に飛び込んでくださった勇気に感謝します。即興ということで何が起こるかわかりません。しかしきっと楽しいことが起こるはずです。
今回全国各地津々浦々からお越しいただきました。これは私たちアーティストがきちんと場を持ち交流しながら活動を続けていくためのネットワークを作り出したいためでもあります。それぞれの地域に面白い場所や人がいます。そこから何か起こしていくことができないか。一人では難しくとも助け合うことでお互いに呼び合うことでできることもあるのではないかとおもいます。
 作品制作環境を考えると今後地方で活動する作家はどんどん増えていきます。孤立してしまわないように、引きこもりにならないように、新しい空気をちゃんと吸えるようにこのお祭りを設定しました。これは私自身のためでもあります。
 鳥取はなにもないけどなんでもできるは私が鳥取に赴任することを決めた時に言われた言葉ですが、場所と時間と人があります。自由度が高く、とてもゆるやかでのびやかです。ここで発見したことが作品に、あるいはこのまちで滞在制作を行うなど発展していくことになったら私もとても嬉しいです。また、そのまま作品作りに繋がらなくとも、これをきっかけに気軽に鳥取に足を運んでくれるようになったらそれもまた嬉しいです。

 現代の芸能者はノマドでありながら自分の立ち寄る場所も開拓していくのだと私は考えます。鳥取で羽根を伸ばしまた飛び立ち、渡り鳥のようにいくことを祈ります。


内容
23日前夜祭旧ヤマネデンキ
                1845分開場19時開演
                料金1500
                定員:40名
                くじ引きによる即興ダンスと音楽のセッション(オービタルリンク、中沢れいさん発案)
                自己紹介的なパフォーマンス
                ①くじ引きにより3人組を作る
                ②各自が2分ずつ即興を行う(ダンサーは音楽家を指名したり、CDなど用いても良い)
                ③その3人でセッションを行う(4分)
               
24日周遊型パフォーマンス
                15時50分ヤマネデンキ集合16時から周遊型パフォーマンススタート
                料金:1500円
                定員40名
                野外でのパフォーマンス(観客はヤマネデンキで地図をもらって巡回しながら見て回る)
                ガイドとしてパフォーマーが案内します。
               
25日ワークショップ
                10時:いなばのお袋市に出現
                1時30分:わらべ館いべんとほーる(晴天時には階段、わらべ夢ひろば含む)にて

参加費 無料
場所 わらべ館いべんとほーる
申し込みはわらべ館(0857227070)
定員は50(大人も一緒に参加できます)








夏至祭staff
                企画構成:夏至祭実行委員会
                宣伝美術、チラシデザイン:三宅航太郎(うかぶLLC
                宣伝写真:田中良子
                映像:佐々木友輔(鳥取大学地域学部附属芸術文化センター)
                写真:田中良子
               
                主催:鳥取夏至祭実行委員会・キノコノキカク
共催:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター、わらべ館、
協力:鳥取市中心市街地活性化協議会、新鳥取駅前地区商店街振興組合、鳥取市公園スポーツ施設協会、本通り商店街、HOSPITALE プロジェクト(旧横田医院、ことめや)、アフターアワーズ,(株)ヤマネ機材、鳥取藝住、totto、鳥取大学学生(地域学部附属芸術文化コース及び教養科目「芸術入門」受講生)、鳥取市内の皆様

鳥取夏至祭2017 ワークショップ@わらべ館

鳥取夏至祭3日目ワークショップ@わらべ館
最後に開催されたのはワークショップ。
童謡と唱歌、おもちゃのミュージアムわらべ館での開催ということもあり、子供向けと思われがちですが、大学生、保護者、そして鳥取ミュージシャンも入り、子供も大人も、ダンスも音楽も両方やっちゃう(ダンサーも演奏するし歌も歌う。音楽家も走り回る)縦横無人なワークショップとなりました。

本来ワークショップは代表者というかリードする人がいるのですが、今回はあえて決めきらず、皆が少しずつ誘導し、少しずつつないでいくという「集団創作型ワークショップ」としました。
大切なことは誰かが引っ張るのではなく、皆で一緒に進むことです。いろんな方向に進みながらでも緩やかなまとまりがある。そんな集団になっていきました。45分間動きっぱなし。大人も子供もただただ遊ぶそんな時間でした。








Photo:田中良子