2026年1月1日木曜日

このページをご覧になる方へ

このページはダンサー木野彩子の現在の活動をブログとして紹介しています。
プロフィールの詳細やこれまでの活動につきましてはおどりこさいこ(http://saikokino.blogspot.jp)をご覧下さい。

This page is Japanese dancer Saiko KINO 's blog. Sorry, this blog is Japanese.
If you need to more detail of Saiko's work, please check Dancer Saiko page(http://saikokino.blogspot.jp), and click the label.



○鳥取夏至祭についてはこちら。レビューあげてます。
これまでの活動をまとめてドキュメントを制作しました。2025年年明けに届く予定になっています。これまで参加してくださった方、関係者等にお配りしますので、ご興味のある方はお知らせください。
2023年HPはこちら
2022年HPはこちら
2021年は別途HPを開設しました。写真レビューはこちら
tottoのライターnashinokiさんのレビューは現在作成中です。(2024年12月現在2023年の第1弾がtotto内で発表されています。)

○大学用HPを作りました。詳細はこちら
 Dance New Air 2021に合わせたインタビューページが掲載されています:https://dancenewair.tokyo/2020/interview04/

公演予定などは今後の公演予定をご覧ください。

○Dance Potlatch ダンスのおくりもの
DVDを販売しています。(驚きの500円)収益金は踊るキノコ基金にまとめられ今後の活動へと生かします。
販売元のBankARTは会場を移り頑張っていましたが、来年3月までで契約が切れるとのこと。現在クラウドファウンディング実施中です。

ご希望の方はキノコチケットkinokoticket@gmail.com(@を英数字に直してください)まで。


Mobius鳥取編(Chicago Moving Company 2016)film: Yusuke Sasaki
Mobius東京編(Chicago Moving Company 2016)film: Yasunobu Nakagawa







2026年

2026年に行う事業の予告を載せておきます。

  『あけないよるはない』
1月9日18時半から鳥取大学地域学部附属芸術文化センターアートプラザ 

元々はアートプラザの劇場としての可能性を考えるということで大学予算を取ろうとしたのですが、現在の学生さん達の力量では心許ないので、何かしておかねばと思い、ひとりで作品製作をしています。(学生さんの公演については下にあります)

 そもそもは2024年『静』公演を行うときにみえたものでした。 元々静御前の話なので義経を思う女性の気持ちを表しており、そこに道成寺縁起を重ねていましたが、公演中に何かを感じました。 翌々日近しい友人の死を知りました。(正式な命日は翌々日として公表されています) 2016年『Mobius』東京公演の時も死ぬなと念じたことを覚えています。(その時は生き延びることができました) あれから7年、そして2年。3回忌にあたるのかとおもっていたら、共通の友人が曲を送ってくれました。(Hui-Chun Lin,上地正彦)
 阿弥陀堂パフォーマンスをみにこれなかった学生さん達のためにという口実をつけ、学内で公演を行うことにしました。 このお正月も大学に毎日当たり前のように通い、作品製作を続けています。
3月21日おそらく5時ごろから阿弥陀堂 
2025年3月21日阿弥陀堂をお借りし、下見を行いました。 チラシの写真はその時のもので、この場所を生かして何かパフォーマンスを作ることはできないかと思いました。そしてうまれたのが1人(もしくは2人)に対する茶会で、夏至、秋分、冬至と様々な出会いがありました。 この日鳥取大でお世話になった先輩先生が亡くなりました。阿弥陀堂でその知らせを聞き、立ち上がれなくなりましたが、なんとなく踊ってと言われているような気がして踊り続けました。元々神楽など踊りや芸能が好きな先生でしたが、即興で踊る踊りを見て宝石箱のようだと喜んでくださったのを思い出し、踊りなさいと言われいるような気がしました。 その夜、阿弥陀堂の管理人さんにお会いし、阿弥陀堂の話をしました。春分や秋分は東から陽が昇るから、晴れていると素晴らしいんだとおっしゃられ、その日はさすがにつかれていてかえることにしたのですが、夏至の会にも同じように言われ力説されたので、いつか企画したいと思っていました。 残念ながらその直後にお亡くなりになり、現在阿弥陀堂は外部への貸し出しを行なっていません。 この企画が年間を通じてのものだったせいもあるのですが、この場所について考える機会にしたいと思い、公演を設定しました。 おそらく5時ごろには白み始めることから集合が早朝になると考えられます。詳細はお問い合わせください。 申込受付は1ヶ月前を予定しています。
学生の公演は 1月30日に予定しています。 2年生有志が宮沢賢治の『よだかの星』をもとに影絵朗読劇を昼休み(12時15分ごろから20分程度)に 3年生有志が小泉八雲と鳥取の怪談を朗読劇で放課後(18時半からを予定)にお送りします。 米子児童文化センターの『舞台でAOSOBO』は2026年も開催予定です。詳細決まりましたらまたお知らせします。

2025年

2025年 
ウクライナ・ロシア、パレスチナ・イスラエルの戦争は続き、(現在は停戦状態ではあってもいつ何が起きてもおかしくはない状態が続いています)アメリカトランプ政権に世界中が振り回される中、これからの世の中が悪化していくしか見えないのですが、第二次世界大戦に向かっていく世相にとても似ていると感じました。
 2018年にも『ダンスハ體育ナリ?其ノ二建国体操ヲ踊ッテミタ』(初演:明治神宮外苑聖徳記念絵画館、その後ゲーテインスティチュート、早稲田どらま館、一橋大学などで上演)で指摘していた、世の中の分断、全体主義への動きがさらに進ん進もうとすることより力のある方(メジャー)へ進もうとすることにより、それを悪化していくのではないかと思います。 私の所属する地域学部は地域における諸問題を扱っていけるようにと、教育学部から変化してきました。 高齢化、過疎、それらは都市部との経済格差や税金の分配に左右されるものであり、大学でいくら問いかけても、地域にそれを聞く力がない場合はそれ以上何もできないと思いました。
 2017年からの鳥取夏至祭、2019年の鳥取銀河鉄道祭、様々に語りかけてきましたが、自分の活動する場所を作っていこうという気持ちがない人に語りかけても、ただ労力を取られるだけで無意味であると理解しました。 興行として公演を行ってもそのチケット代金が会場使用料で消える状況で、大学教員だから助成金ももらえず、これ以上何ができるのだろうかとおもいました。 鳥取大学長が変わり、予算が締結されたこともありますが、学生の公演にはお金が出ても、プロフェッションとして行ってきた自分の公演には予算がありません。 どうしたらいいだろうと考え、パフォーマンスの原点に立ちかえることにしました。 本来多くの人に見てもらい、感動を与えるものと舞台芸術は行われた反面、戦時のプロパガンダにも繋がりました。 個人と個人の日常的なつながりの大切さにもう一度目を向けるべきではないか、またそもそも人と人との関係性に目を向けがちですが、人と自然、地球、宇宙とのつながりに視野を向けた時、近年の宇宙工学の盛り上がりは地球を捨てる可能性ゆえであり、今生きている私を、地球を大切に生きていくことはできないかと考えました。 

今年の作品は湖山池阿弥陀堂で作成することとし、1人(もしくは2人)の小さなお茶会を開催することにしました。 わたしとあなたしかいないこの空間で、この世の中で起きている生命のやり取りに気を向けるような、五感を開くような機会を作れないかと思いました。 阿弥陀堂は柳宗悦の影響を受けて作ったそうですが、おそらく極楽浄土のようなものを意識してできた場所です。いつかぜひお越しください。

  ◎作品 『阿弥陀堂四季のうつろい』 
四季を通じてこの場所で変化を感じていこうと思い季節ごとのパフォーマンスを制作しました。1人(もしくは2人)のプライベート空間でのお茶会です。 見にきたお客様だけの特別なパフォーマンスは確実にそれぞれの人の心に届いたのではないかと思います。 各回のパフォーマンスは季節に合わせて内容が異なります。 夏至の会は風が強い日でした。 秋分の日は蝉の声が聞こえ、時間によりその鳴き声も変わって行きました。飛んでいた鳥が一列に並んで飛んで行ったことも印象的でした。 冬至は雨が降り、曇った空でしたが、お客様は山陰らしいねとおっしゃっていました。 私はその前後も含めかなり通い続けていますが、1日として同じ日はありません。日の光、水の音、風の流れ、1日どころかその1日の間にも時間によって全く異なる時を過ごすことができます。
こぶし館の時にも思いましたが、まるで天然のプラネタリウムのようにみえました。6月夏至の会の時にもお会いした管理人さんが急にお亡くなりになり、現在は一般への貸出ができなくなってしまったのですが、民藝美術館のご厚意により秋分、冬至と開催できました。 吉田璋也はこの場所で民藝を率いる仲間達との会合を開いていたと言います。このような場所がそれぞれの地域で広がって行きますように。 (今回フィーチャーしたのは松澤宥(1922-2006)という長野県の現代美術の作家です。昨年のプラネタリウム公演で伊那(長野)に行った時に知り、調べました。オリンピック、万博の流れの中、日本におけるコンセプチュアルアートの原型をつくりました。) 吉田にしても、松澤にしてもきっと地域(地方)、辺縁で新しい文化はうみだされていくのではないか、と私は思っています。 

 以下は夏至の際のプログラムに載せた文章です。 松澤の言葉に合わせ私の言葉とさせていただきました。
これだけの環境破壊が起きている中、人類の存在がむしろ問題ではないかとも思います。 ただ、歴史を見ると、第二次世界大戦に限らず、ずっと厳しい状況が続いていたのだということがわかります。それでも生きていかなければいけないのだろうか、と考えさせられます。 

劇場での公演は照明、音響、舞台衣装や装置なども含めた総合芸術です。あの暗闇でなければできないことは確実にありますし、観客どうしの一体感も醸成されます。そんな舞台芸術に長く携わってきた身ではありますが、コロナウィルスの流行(2020−2022)の3年の間に日々の暮らしを見直すようになりました。 人類が移動を停止し、引きこもっている間も自然は変わらずそこにありました。むしろ大気汚染が減り、心なしか星が美しくみえるようになりました。人もウィルスとはまた違う形で地球を害しているのかもしれないと感じるようになりました。ゆっくりすごすようになって、四季の変化を感じることができるようになり、2020年から2021年にかけて久松山の麓にあるこぶし館に通いながら日の光の変化を観察し、『こぶし館 3つの光』を製作しました。(映像作家の波田野州平、照明家の三浦あさ子との共同製作。私は「こぶし館のひかりとともにあるということ」と題して昼の光とたそがれの光の2バージョンを発表しました。)風の音、鳥の声、雨音、木の軋み、小さな音や空気感を感じ、解像度をあげていく、演者だけではなく、見に来た観客の皆さんの五感をひらくような試みでもありました。コロナ下ということもあり、少人数の観客が入れ替わりながら見る形であったこともあり、一人一人の人の呼吸や気配、熱量を強く感じることができました。2004年に製作した『箱女』(映像作家の城戸晃一との共同制作)でも、観客とダンサーのみる・みられる関係性の逆転をテーマとしていましたが、観客である「あなた」がいることによって作品は必然的に代わりうるということに気がついたのです。 

 コロナ以降、映像文化やバーチャルリアリティが広まるにつれ、オンライン上での交流に加速度的にシフトしていく中、パフォーマンスやパフォーミングアーツができることとは何かと考えてきました。しかしそれでも最終的にはこの生身の身体に戻ってくるのではないでしょうか。あなたの呼吸が、存在が私を変える可能性を考察するのに、100人、1000人、1万人の観客を対象としているのでは多すぎます。大人数の観客だからこその盛り上がりもありますし、オリンピックや万博も含めた国家イベントにおける、より多くの人に届く(刺さる)作品作りを目指す人もいるとは思うのですが、逆にただ一人(今回は二人までとしています。)のためのパフォーマンスを作れないだろうかと考えました。 思えば茶道は茶器や書の選定や花を生け、空間を作り、嗅覚や味覚もふくめた五感を共有するものでありました。様式化され、動きも完全に決まっていることから、振付とも作品ともいえるでしょう。器にこだわり、花にこだわり、そうして宇宙を五感で感じさせるものです。千利休が見出した侘び寂びもまた一つの美です。そこにヒントを得て、この空間で小さな茶会を開こうと思いました。

吉田は『阿弥陀堂を建てる』のなかで「茶道にはいろいろと流派があり、また私は特に茶室建築を研究したのでもなく、自分勝手な建築をすれば、法に合わぬと批判もやかましいことだろうと思った」から「茶室を建てると、標榜することは差しひかえました」と記しています。柳も「美の性質を論じることと、『茶』の精神を説くこととは一様である」(『茶と美』初版序)と記述しつつも、茶道の家元制度や茶器の来歴による高額化など批判的に捉えるようになり、「『茶』に係わる凡ての人々を能ふ限り解放して、元来の『茶の自由』にもどさふとするのがこの1冊の悲願なのである。」(『同』第3版序)とまでいうようになります。そのため、本作品では茶道の様式をあえて用いず、よりリラックスして、阿弥陀堂でゆっくりとともに時間を過ごすためのもてなしを用意することにしました。 柳は美の追求から次第に宗教的探究へと進めていきます。仏教に関する文章を多く残していますが、キリスト教など宗派を超えて信と美を求めていきました。「美しさも亦迷いに過ぎない、それが醜さに対するかぎりは」として最終的には美醜を超えたもう一つの美を見ようとしており、吉田によって一般に広まった新作民藝運動のもつ作家性やデザイン性とは少しずれていくことになります。 柳にとっては美もまた己の中に宿るものでありました。

その視点に立って、照明や音響といった舞台機構に頼らず、自身の身体感覚を研ぎ澄ましてみみをすますこと。それが舞踊以前の身体にできることの一つであったはずです。そしてあなたにしかない記憶を思い起こさせ、つながることも今のところその本人にしかできません。視覚以外の聴覚、味覚、触覚、嗅覚はまだ人間にしかない感覚がのこされています。なぜならそれを言語化、分析化がしにくいからです。特別なダンサーだからできることではありません。あらゆる人の持っている感性にもう一回立ち返って、生き物としての人間の身体が最後にできることとを考えてみましょう。(しかし、言語化や分析化もしにくいだけで、近いうちにできるようになっていくだろうと予測されます。) 1960年代から70年代に松澤がかつて作り出した観念芸術は近いものではないかと思いました。1970万博のような世界最先端の技術が集まっている時代に、時代に逆行するような儀式、試みの数々がそこにはありました。2025年万博を迎えた今、身体や、パフォーマンス、パフォーミングアーツでなければできないこととは何だと思いますか?2020年代に入ってからのスピリチュアルのブームは、松澤の提示した虚空間やプサイのように、すべてが分析できることに対する抵抗なのかもしれないと思います。冷静に、理知的に、人間の知の先を想像しようとした。そしてそれは柳の見ようとした無あるいは空と近いところを指しているように思うのです。 

 吉田は「わたしはその後、たびたびこの小山をたずねました。(中略)雨の日に、雪の日に、晴れた日に、それぞれに趣を異にし、変化に富み、湖面の彩色もとりどりでそれぞれに美しい景観でした。」と書いています。私も四季を通じてこの場所を見続けてみようと考えています。よろしければまたお立ち寄りください。この場所で過ごしたこの日が皆さんの記憶として残り、それぞれの土地へ戻った後にも思い出されますように。思い出す度に、回路はつながり、私はここできっと踊り続けています。

 あなたがこれを読んでいるこの瞬間 
 わたしは日本の鳥取、
湖山の池の 
 あの阿弥陀堂に座わり、
 あなたと此処に 
 わたしの魂を憑依させながら 
 静かに静かに 
 人類滅亡の日の為に舞っているでしょう 
木野(2025)「あなたがこれを読んでいるこの瞬間」

 2025年6月21日 木野彩子 

◎パフォーマンス 『祈』2025年5月17日 
豊岡市城崎温泉温泉寺のクラウドファウンディングに協力することになり、住職の小川祐章さんの読経の中踊らせていただきました。大部行堂さんに書を書きだしていただきました。(2021年に『鎮』として閉帳にあわせ公演をしています)
 https://for-good.net/project/1001920/support
 境内の鐘も修復、移転し、落慶法要にも伺いました。多くの方に愛されてきた寺であることを改めて実感し、次の開帳(30年後)のご無事を祈っています。
『SEEKvol.2』 
鳥取出身のエンドウレイさん、川口覚さんにさそわれ、麒麟獅子舞をモチーフにしたコラボレーション作品を作ることになりました。 鈴木掌さん(画家)、Betts(Jp)さん(音楽家)とお会いでき、貴重な機会でした。Betts(Jp)さんはインターネットを使用しないフェスを開こうと模索しており、個人的にはわかる動きだと思いました。インターネットはとても便利でありがたいのですが、人のつながりはかなり阻害されているのではないかと個人的に思っています。阿弥陀堂の話をしたら共感されました。 鈴木さんは鹿野にご先祖様が即身仏(ミイラ)で眠っているそうで引き続きつながりができそうです。
◎ワークショップ 米子コンベンションセンター『舞台でASOBO』 
中高生の舞台技術ワークショップと親子の舞台体験の2つを重ねて行うワークショッププログラム。米子で活動する水谷宣子さんにご協力いただき、開催しました。親子参加は1週間と立たず申し込み締め切りになるのですが、中高生の参加は振るわず、、、今後の形を考えねばと思っています。米子高校の子達が助っ人で参加してくれて、地元の中高生達につながっていかなければいけないと実感しました。 なお、ベースは「星の王子さま」、星のまち米子に合わせて作っています。
◎学生の発表 
2025年の学生公演は『まいとどーりぃ』をわらべ館(鳥取市)、米子市児童文化センター(米子市)で上演を行いました。多くの皆さんにご覧いただき、ありがとうございました。
中でも中心を担っていた3人は1年かけてダンスと演劇作品も制作してくれました。それぞれの形で創作活動を続けてほしいと思っています。
◎著作 
鳥取大学地域学論集と地域学入門に書きました。 

『ダンスハ體育ナリ?其ノ三2021踊ル?宇宙ノ旅』を通じて見直す万国博覧会 2025年の1番のニュースでもある万博ですが、それまでの経緯を考えると、必ずしも成功とは言いかねるとわたしは思っています。そもそも現代において万国博覧会を開催する意義から問わねばいけなかったのではないか。とはいえ、私の友人たちのパフォーマンスも多く開催され、パフォーミングアーツというジャンルがある種のお祭り騒ぎであるということも実感しました。 これまでのオリンピック、パラリンピックもふくめ、開閉会式を含め多くのダンスシーンがありその多くを友人ダンサー達がになっています。(万博にはブルキナファソから教え子が参加していました)生きていくためにも、またとない機会であり、多くの人にダンスが広がる機会であるのは事実です。しかし、第2次世界大戦の時を思うと喜んでもいられないと思いました。 かっこいい、素敵に踊らされていていいのだろうか?それぞれの人の価値観を信じたい気持ちはあるけれど、大きな流れに流されていないか。 もっというと助成金の動きに踊らされざるを得ないかつての自分というものを見ているような気もしました。 おかしいということをおかしいと言えるようにあるということ。それは私が大学教員だからできることなのでしょうか。 鳥取大学のリポジトリから見ることができます。 

  『オドることは生きること』 
この言葉体奏家新井英夫さんからいただいた言葉です。 体が踊るだけではなく心が驚くことも含め、生きることを追求していく。ALSに罹患し、現在も精力的な活動を続けるダンサー先輩に学ぶことは多いです。 新版地域学入門を出すことになり、おそらく2026年3月までには出されることでしょう(今も校正が続いています)。 様々な経緯があり、木野論文は締めを担当することになり(!)、そこに書いた言葉が書籍の副題に載せられることになりました。

 本章のタイトル「オドることは生きること」も体奏家の新井英夫氏から2023年鳥取大学で開催されたミニシンポジウムのタイトルとして預かったものである。新井氏は2022年にALS(筋萎縮性脊索硬化症)に罹患した後も、踊りを拡大し、あえてカタカナ表記として心オド(踊)るオドろき(驚き)の日々を追求し発信し続けている。皆さんにとって心オドる瞬間とはなんだろうか。文章、絵、音楽、映像、もしかしたら料理やファッションかもしれない。芸術は本来経済活動ではないし、本当に創造性あふれる活動は経済に依存しない形だからこそ自由にできる可能性もある。生きることとその尊厳に関わることであり、現在の価値観だけでは図られない未来を作り出すものだからこそ、憲法でも大事に守られてきた。 年々、自由に踊ることができない人が増えているのと同じく、心オドれない人も増えているように感じている。何をどうしたらいいのかはじめの一歩が踏み出せない人も多い。なぜこのようなことが起きているのだろうか。 
 地域学部という学部は地域で成功するコツやマニュアルを学ぶための学問ではなく、地域における生きづらさを分かち合うための学問でもある。日本中、世界中にそれぞれの生きづらさを抱えている人がいて、だからこそ学問として一緒に考えていこうとするやさしさを持つ人が集まっている。あなたにとって心オドる瞬間を探すこと、そしてそれを続けていくための術を地域で考えること、それがあなたにとっての地域学になっていくのではないだろうか。 筆者はたまたま踊る人で、この章では身体について記述してきたが、地域学部にはそれぞれの分野で言葉を紡ぎ、皆さんの先を生きている人たち(先生)がいる。一人一人違うしあわせの形があるので「これが正解です」とはいうことが難しい現代において、心オドる瞬間を生み出すことをそれぞれの地域で続けていけるように、あるいはおかしいと思った時に「おかしいよ」と指摘できるように、もがきながら地域と並走して生きている人たちがここにいる。
  地域学へようこそ。 


学長が変わり、いろんな意味で地域学部がどうなるかわかりませんが、私がここにきた意味はこの文章を書き残すためだったのかもしれないとも思います。 「ほんたうのさいわい」を求めて進み続けなければいけませんが。

2025年1月1日水曜日

2024年

 2024

◎作品

静鳥取公演

 2024年1月5日(金)19時開演

           1月6日(土)14時開演

とりぎん文化会館 小ホール

構成・出演:木野彩子

音楽:八木美知依(17弦箏、21弦箏、唄)によるオリジナル録音を使用

照明デザイン・オペレート:三浦あさ子

 

舞台監督:田中陽一郎(アドセンターフジ)

音響:加藤由布(鳥取大学地域学部4年)

照明アシスタント:田中哲哉 

記録写真:田中良子

アフタートークゲスト:佐分利育代(5日)、吉田雄一郎(6日)

企画協力:NPO法人ダンスアーカイヴ構想

チラシデザイン:北風総貴(ヤング荘)

 

主催:鳥取大学地域学部舞踊研究室

後援:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター

助成:令和5年度鳥取大学地域連携エクステンション活動、

Towson University Asian Arts and Culture Center

Special thanks to Yasunobu and Kathleen Shiota、ヒカリ美術館、内藤久義、戸井香織

 

本公演は2023年3月Towson University Asian Arts and Culture Centerの招聘により

おこなった『SHIZUKA』アメリカ公演を鳥取にて改訂再演するものです。

 


プログラムより転送

はじめに

『静』は、白拍子、静御前を題材にしたダンスと音楽、照明とのコラボレーション作品です。 白拍子は、12世紀から13世紀にかけて活躍した職業舞踊家で、即興の歌謡朗読(今様)の名手であったと言われています。

白拍子舞は残念ながら現存していません。しかし静御前は非常に人気で多くの舞台作品(能、歌舞伎、日本舞踊など)や文学作品で扱われてきました。あまりにも魅力的な伝説であったためでしょう。白拍子舞とはどんなものだったのだろう?という素朴な疑問からさまざまな日本の舞踊に触れるようになりました。本作は能や民俗芸能から多くのヒントを得ていますが、私自身が西洋舞踊の舞踊家としてトレーニングをしていることもあり、現代に置き換えるとしたらどのようなものになるだろうかと音楽の八木美知依さん、照明家の三浦あさ子さんと工夫を重ねてきました。

コンテンポラリーダンスは現代社会における諸問題を扱うことも多く、既にダンスそのものへの問いかけが行われていたり、舞台機構からも逸脱が図られています。今回はそんな中、あえてストーリー展開のある題材を行うことにしました。元々の舞踊の発生を考えるとき、祈りや人の想いは欠かすことはできません。動きそのものの面白さや技の凄さに向かっていく現代のダンスの流行に逆行するかのようにあえて動きを抑え、感情の揺れ動いていく様をみえるようにしました。

時代は変化しても変わらないものもあるのです。

 

 かつて日本の芸能の多くは神や仏に向かって奉納されるものであり、巫女や踊り手は神や仏の依代となる役割を担っておりました。観客はその場に立ち合い、後見として見守るものでした。2023年アメリカでの公演は311日、東日本大震災から12年を迎えた日でした。2024年も北陸の地震にはじまり、決して明るい未来とは言い難い状況です。それでもなお、そんな2024年の始まりに、土を踏み鳴らし、悪霊を祓い、その土地のエネルギーを高め、寿ぐことになりました。それでもなお、人は踊り続ける。その想いは龍となり、いつの日か届くことになるでしょう。

 

皆様の健やかな一年を祈念します。

 

 

 

2024年元日 

木野彩子

地震の後の復興は大雨もあり、なかなか進んでいません。

皆様が温かいところで年を越すことができていますように。日々の暮らしが普通に送れることの大切さを強く感じます。




 


 

レクチャーパフォーマンス『踊ル?宇宙ノ旅 長野・伊那版』

日時:2024年8月30日18時30分開演

8月31日10時30分開演

場所 長野県伊那文化会館 プラネタリウム


 

構成・出演:木野彩子

プラネタリウムオペレーション、解説:松尾美恵(長野県伊那文化会館)

音楽:水谷浩章(コントラバス)

特別ゲスト:福澤歩(30日)、深瀬あを(31日)

 

プラネタリウム映像制作:宮部勝之

 

主催:長野県伊那文化会館

共催:長野県、長野県教育委員会、伊那市、伊那市教育委員会

後援:鳥取大学地域学部附属芸術文化センター

企画協力:Dance New Air、NPO法人ダンスアーカイヴ構想

映像・写真協力:国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U)、鳥取大学医学部染色体工学研究センター、鳥取大学電子顕微鏡サークル、電子顕微鏡のまち・米子市推進協力会、一般財団法人松澤宥プサイの部屋

本公演はダンスフェスティバル「Dance New Air2020→2021」(2021年11月港区立みなと科学館)で上演された『ダンスハ體育ナリ?其ノ三 2021年:踊ル?宇宙ノ旅』を伊那市文化会館のプラネタリウムに合わせて再構成したものです。

 

2021年東京みなと科学館で行ったレクチャーパフォーマンス『ダンスハ體育ナリ?2021年:踊ル?宇宙ノ旅』のうち宇宙の旅の部分を中心に長野県伊那文化会館版を制作しました。東京、鳥取、高知、長野と小さいながら上演を続けることができ、その旅ごとに現地の方と一緒に作品を深めていく作業が続いています。今回はプラネタリウム解説員の松尾さんにご協力いただき(松尾さんのお家及びご実家にとめていただくなど、個人的アーティストレジデンスでした)、さらに音楽部分は伊那市在住の水谷浩章さんの演奏と、シンガーソングライター福澤歩さん、深瀬あをくんの日替わりゲストによる「伊那市のうた」(作曲:高木東六)もふくめた伊那限定の特別版です。内容的にも松澤宥に言及するなど、宇宙県長野ならではになっています。(長野県のプラネタリウムさん、ぜひお声かけいただければ!)


追記:その後五藤光学研究所の報告書にプラネタリウムの新しい活用事例ということで2ページ取り上げていただくことになりました。






 

◎執筆

鳥取夏至祭ドキュメント制作

2017年に始まった鳥取夏至祭はコロナ下をへて変遷しながら7年間続いてきました。今回鳥取クリエィティブアートプラットフォーム(Tplat)が県内のアーティストレジデンス団体のアーカイブを作成しているのに混ぜていただき、ドキュメントを作成しました。

年明けに届く予定で、参加者の皆さん、関係団体等にお配りしていきます。

過去の夏至祭にご参加いただいた方で、この冊子を欲しいという方は木野もしくは鳥取夏至祭実行委員会(geshisai2023⭐︎gmail.com、星を@に変えてください)へご連絡ください。

 

鳥取のちいさな広場のはなし

鳥取夏至祭で開拓してきた鳥取の公共空間や空きビル、公園、空き地。そのうち風紋広場におけるジェントリフィケーションについて小さなエッセイのような文章を書きました。駅前の再開発はバスターミナルを中心に進んでおり、風紋広場もなくなるだろうとされています。で、あれば、どのように変化していくのか、そしてこれからの鳥取市に必要な空間とはどういうものなのだろうかと考えさせられます。(鳥取大学地域学論集)

 


また、これとは別に現在新版の「地域学入門」(鳥取大の地域学部の教科書のようなもの)のためのテキストを書いています。出版されるようです。

 

◎ワークショップ

おととからだであそぼう!即興音楽とダンスのワークショップ→わらべ館主催事業に



 

新井英夫さんと学ぶ野口体操と体奏講座



真庭図書館館長の西川正さんに人と人をつなぐ場づくりのコツを伺いました。また参加者の皆さんとオンライン上ではありますが、様々な相談事をシェアする時間を作り、同じような悩みを抱えている人は多くいて、一緒に相談する時間、場を作ることの大切さを感じます。

今年度も2月に予定しています。(今年のテーマはヒトはなぜ踊るのか?・なぜ踊らなくなったのか?〜ことばだけでは伝えられないこと・生きることと表現すること〜」です)


 

ぶたいでASOBO!

米子コンベンションセンターより依頼があり、子供達のための舞台体験と小中学生の舞台技術講習会をかさねて実施しました。好評とのことで、来年以降も継続開催していきます。


鳥取大学附属幼稚園でのぴょんぴょんサークルなどでも親子向けワークショップを開催しています。

 

即興音楽とダンスのワークショップ(岡山県総社市)

金子泰子さんに招かれ、即興音楽とダンスのワークショップを開催しました。総社にはこれまでも何回か招かれており、ありがたいことです。

 

◎パフォーマンス

ひつじ雲に乗って 

池田千夏(ピアノ)、水谷浩章(コントラバス)と共に、東京から長野へ向かうツアーを行いました。

月花舎(東京)はもともとは茶会記として四谷三丁目にあった喫茶店兼イベントスペース。私も大変お世話になっており、懐かしい人に再会する他、彼らの新しい再出発を祈るような踊りになりました。

桜座(山梨)は即興業界的には知られた場所で、私はダンス白州に参加している時に田中泯さんの公演を見に連れてこられました。お客さんは少なかったのですが、舞台の方を使わせていただき、贅沢な時を過ごしました。

さわやまサロン(松本)、明石商店(伊那)はいずれも初めての場所でしたが、おきゃくさまにもめぐまれ、楽しい時間を過ごさせていただきました。明石商店さんは宿泊、ミニシアター、カフェを併設しており、鳥取のたみともつながりがあるとのこと。素敵な場所であると共に、今後こういうところが増えていくといいなと思いました。




 

冬のおとづれ

岡山県総社市で活動する金子泰子さん(トロンボーン)が「鳥取夏至祭的なことをやってみたい」として企画したイベント。サポートに伺いました。会場は堀和平邸。200年前に建てられ市に移管された後も一時は取り壊されそうになっていたなか、NPO法人が立ち上がり、理事の金丸さん他が大切に守ってくださっていました。ミント栽培を広げようとしているそうで、ミントオイルを購入してきました。なお、母屋の室内では曜日替わりでカフェが営業されているのですが、おすすめです。おいしかったです。




 

 

 

 

◎その他

鳥取大学学長表彰

これまでの鳥取県内での舞踊活動を評価され、学長表彰をうけました。内情では女性の受賞者がいないので出てくれないかと頼まれたアフォーマティブアクションでもあるのですが、いただけるものはもらっておけという恩師の言葉をうけて、いただくことになりました。

 

 

ガザモノローグを読んでみようの会

ガザモノローグというヨルダン川西岸地区のAshutale劇場が制作した戯曲(モノローグとあるだけあり、個人の言葉が主)を読んでみる会をたちあげました。おおよそ月1で次回は125日、砂鳥ビルにて、マクルーバ(現地の混ぜご飯的なもの、最後にひっくり返す)を作りながら、ガザの話などを一緒に話してみませんか?





 

 

水本俊也写真展

2020年−21年のコロナ下でのお正月時期に撮影した雪の鳥取砂丘での写真が、水本さんの個展で特集されました。ギャラリーそらの2階部分全フロアでの展示でした。(砂丘を特集した「たくさんのふしぎ」の出版記念)

 

紀展

鳥取大学の西岡千秋名誉教授(専門は声楽)が定年退職後写真を取るようになり、1月の静鳥取公演の写真を出展、受賞したとのこと。そのため、全国巡回展で木野の写真がまわっておりました。(それを見かけ連絡くださった皆様ありがとうございます)

 

◎学生企画

ちっちゃな焚き火倶楽部

コロナによって変わった学生生活のうち、最も大きかったのは知り合い以外に出会わないことでした。特に同じ学部以外の人に出会うことがないとのこと。ささやかながら、鳥取大学学内で「ちっちゃな焚き火倶楽部」を開催し、学部、サークルなどの垣根を壊すような試みを開催しました。

 


今年はわらべ館と米子児童文化センターで親子で楽しめる演劇「まいとどーりぃ おもちゃの国の大冒険」を製作中です。



 

 昨年もガザ問題もあり、親友の死もあり、クリスマスや正月だからと祝えないちょっと寂しい年の瀬になりました。そしてそれは今も続いています。世界中から紛争は無くなったことはなく、昨年までの私はそれをみてこなかったのだということに気がつきました。みてこなかったというよりは、知らなかった、あるいはみようと努力をしてこなかったということです。

宇宙の旅では「みえない未来をみようとしているだろうか」と話しています。福島(の原子力伝承館の裏)で雨に打たれ踊りながら、これだけ地震の多い国でありながら、再び何もなかったかのように東日本大震災の前に戻すことはできるはずはないと思いました。「未来はわたしたちがつくるものなのです。」

静公演の際には友人の死を体感するちょっと不思議な体験もし、能登半島の地震のこともあったので、今年は1年様々な土地を回り、祈ることにしました。Passed awayという英語の表記は悲しいのですが、なんとなくこの世もまた束の間のものに過ぎなくて、ちょっと通り過ぎただけのようにも思われます。

それでも生き続けなければいけないわたしは、せめてこの世からいなくなるまでの短い時間、少しでも多くの生き物が悲しまず、苦しまず、恨みを残さないように、幸せな感覚をもてるように生きていけたらと思いました。