静
(私たちの中では白静とよんでいます)
2月にBankART3階の倉庫空間にて上演した「静」を2階の白い空間にて作りなおすことにしました。 「静」というタイトルは有名な白拍子静御前が由来です。日本中世における男装の舞である白拍子舞は巫女と遊女という両極の女性像を内在しており、舞踊の根源を探るうえでとても興味深い事例だと考えます。しかしながら現在伝承されてはいません。資料や民俗芸能へのリサーチを元に現代における白拍子の舞を創り出そうと考えました。音楽に国内外で活躍する箏奏者八木美知依さんと照明三浦あさ子さんと再び、つよく、うつくしき女性像をうかびあがらせます。
2014年10月19-25日まで横浜トリエンナーレ中に公開製作を行い、まとめました。
日時: 10月24日(金)19:30開演
10月25日(土)19:30開演
場所: BankART Studio NYK 2Bギャラリー
神奈川県横浜市中区海岸通3丁目9
料金: 2000円(1ドリンク付き)
構成•出演: 木野彩子
音楽•出演: 八木美知依(17絃箏、21絃箏、歌)
照明デザイン: 三浦あさ子
照明オペレート: 古矢涼子
オリジナル衣装デザイン: 宮村 泉
音響効果: Mark. E. Rappaport
オリジナル衣装デザイン: 宮村 泉
音響効果: Mark. E. Rappaport
記録写真: 小熊 栄
記録映像: 中川泰伸
協力: 上本竜平、桑原淳、蔀 健、御代田直樹、山田恵、内藤久義
スタジオマキノ、日本基督教団巣鴨教会
主催: BankART Studio NYK
BankART cafe live 2014
白静プログラムより
伝説の白拍子、静御前とはどのような人であったのかに想いをはせながら、作品作りを行ってきました。
白拍子というものが伝承されておらず、私の作品もあくまで一つのアイデアでしかありませんが、もしも静という人がこの現代によみがえったならととらえなおしてみました。
愛する人を想うがゆえに蛇となり、鐘にとりついてしまう道成寺の白拍子や、愛する人を待ちつづけ白河のように髪が真っ白になってしまった檜垣の白拍子、中世の様々な女性の姿をみてきて、私が静からうけたのは一人で生きていく覚悟と強さでした。
最終的に吉野山で義経と別れたあと再び会うことはなく、その子供も殺されてしまい、頼る人もなく静は悲しみの中なくなったと思われます。
しかしながらその強さは日本全国で伝説として語り継がれることとなります。
白拍子は遊女のように時代を経るにつれて身を落としていきます。しかし元々は神に祈るために踊ってきました。静は鶴岡八幡宮で何を踊ったのか。それを探そうとする試みです。
この作品は2010年ギャラリー招山(由比ケ浜)でのパフォーマンス、「しづ」(2012 神奈川芸術劇場大スタジオ 文化庁新進芸術家海外研修員による現代舞踊公演)、今年2月に行われました「静」(2014BankART Studio NYK 3Cギャラリー)をふまえて作成しました。時をこえ、場所が変わりつつも、作品を練り続けていくことができることをうれしく思います。関わり支えてくださった皆様に御礼申し上げます。
木野彩子
オリジナルの静(2014年2月発表)については以下をご覧下さい。
http://saikokino.blogspot.jp/search?q=静
BankARTウェブにも紹介されています。http://www.bankart1929.com/eastasia/event/index.html
この企画にあわせDVD「Dance potlatch ダンスのおくりもの」が作られました。これについては追ってリンクします。
静御前について
http://saikino.blogspot.jp/2014/10/blog-post_18.html
白静スタッフの皆様
http://saikino.blogspot.jp/2014/10/blog-post_30.html